JFE21世紀財団賞

まんまるふしぎなお月見

ヨークシャー・ハンバーサイド補習授業校(イギリス)

小6 ジェームズ 珠乃

    

 秋はいつも楽しみです。夏休みが終わって、イギリスでは新しい学校の年が始まります。そして、お月見。
 

 毎年、三歳の時からイギリスに住んでいる日本人の友達と家族と近くのミレニアム橋で明るく光っている満月を見ながらパーティーをします。パーティーに行く前に、お母さんと妹と団子を作ります。白玉粉に水と少しのお砂糖を入れて、手で丸めて、ポツンとお湯にそっと入れます。そして、ゆで上がったらざるですくって、冷めたら三宝にピラミッドみたいに重ねます。そのお団子をミレニアム橋に持って行きます。いつも寒いけれど、みんなと走り回って、ホットチョコレートで温まると、とても楽しくて、お団子はほっぺが落ちるほど美味しいです。
 

 次の日は、お弁当に残ったお団子を入れて学校に持っていきます。イギリスの友だちがじーっと見てきて、

「これなに?」

と面白そうに聞かれます。
 

 でも三年前、何かが変わりました。団子はすごく宝物で、普通はあまり分けたくないけれど、

「食べてみる?」

と親友のエロディーに言って一つあげてしまいました。エロディーはすごく喜んで一緒に

「おいしいね」

と食べてくれました。そして、お月見の話もしました。
 

 次の年、お月見が近づいたころ、エロディーが

「お月見するの?」

と聞いてきました。私はつい、

「来る?」

と聞いてしまいました。

「何を持って行けばいいの?」

と聞かれて、私は少し考えて、

「丸いもの!月の形だから。」

と答えました。
 

 エロディーはとても喜んで顔が明るくなりました。いっしょにパーティーに来ることになりました。持ってきた物は、スコッチエッグでした。たまごにミンスをまいて揚げた、スコットランドの名物です。その夜は、お団子、ホットチョコレート、スコッチエッグ。いつものお月見より、もっとにぎやかで楽しかったです。
 

 次の年、香港のゾエさんも呼ぶことにしました。

「何を持って来ればいいの?」

と聞かれて、

「丸い食べ物を持ってきてね。」

と答えました。
 

 その夜、ゾエさんは手作りの月餅を持ってきました。まんじゅうみたいな形で、ナイフで切ると中にたまごの黄身が入っていました。

「これは、中国でとても有名なおかしだよ。あんこが夜空で、黄身が月だよ。」

とゾエさんが教えてくれました。食べてみると、日本のまんじゅうみたいだったけれど、少ししょっぱくて、とても美味しかったです。
 

 こうして、六人だけだったお月見パーティーは、毎年どんどん大きくなって二十三人までになりました。でも、人数が増えても、一番楽しいのは、いろんな国の友達とお月見の文化を一緒に楽しめることです。
 

 そして、毎年、丸い食べ物がどんどんふえていきます。クレープやパイやスコーン。今年は、どんな「丸い物」が出てくるかな?