赤い屋根の体育館がシンボルのキャンパス。グアム中央・マンギラオ村の小高い丘に位置し、周囲は緑豊かなジャングルに囲まれています。
日本語会話・日本文化コース グアム国際日本人学校は、自前の広い敷地に全日校・補習授業校・幼稚部を併設し、小規模ながらも歴史があり、多くの関係者に支えられながら発展してまいりました。 しかし、在留日本人子女の減少による財政的な厳しさに直面し、「この大切な学校を守らなければ」という思いから、新たな挑戦として、現地の方々を対象とした「日本語会話・日本文化コース」を立ち上げました。 海外子女教育振興財団(JOES)の「ビヨンドスクール構想」という言葉に出会ったとき、「これだ!」と背中を押されたことをよく覚えています。 先人が残してくれた校舎と広い敷地を拠点に、もう一つの学校をつくるという気持ちで取り組みを進めました。
2024年8月に本コースを開講した当初は、生徒の皆さまがどれほど集まってくださるのか分からず、期待と不安が交錯するスタートとなりましたが、教職員の努力が実を結び、現在では生徒数が 60名を超えるまでに成長いたしました。 2年目を迎えた現在、子ども初級2クラス・中級1クラス、大人初級1クラス・中級1クラス、ビジネス日本語1クラス、大学受験コース1クラス、企業向け出張日本語会話クラス1クラスと、合計8クラスを開講するまでになりました。
夕方になると受講生の皆さまが登校してきます。学校の駐車場は満車となり、学校全体が再び活気に満ちはじめます。 仕事を終えた大人の生徒さんたちが熱心に学びに訪れ、また、お子さまを送り迎えしながら学びを支える保護者の皆さま、日本語という難しい言葉に真剣に挑戦し、「日本が好き」と目を輝かせてくれる子どもたちを日々目の当たりにし、その姿に心を動かされ、教職員たちもより良い学びの場をつくるために力を尽くし、ともに成長してまいりました。
グアムといえば、島の面積の約3分の1を米軍基地・施設が占めており、当校の生徒のご家庭にも軍関係のお仕事に就かれている方が多くいらっしゃいます。 私たちが実践する日本語教育が日本での任務に役立つだけでなく、その学びを通して日本のファンになっていただけるような体験を提供し、ひいては両国間の平和へとつながることを願いながら取り組んでいます。
子供クラス 日本語に初めてふれる子どもたちには、「日本語って楽しい!」と感じてもらえるよう、四季折々の日本の行事をテーマにしたアクティビティを取り入れながら授業を行っています。秋祭りでは浴衣を着付けしてあげると、子どもたちは大喜びでした。
大人初級クラス すぐに使える表現に加え、長く学び続けられるよう、ひらがなの学習にも取り組みます。「先生とクラスメートが大好きで、学校に来るのが毎回楽しみです!」「義理の母が日本人なので、日本語を話せるようになりたいです」「将来、日本に住むことが夢です」など、学ぶ目的はさまざまで、皆さん意欲的に参加されています。
大人中級クラス 在籍して2年目の方や、過去に日本語学習の経験がある方が中心のクラスです。宿題もあり、少しアカデミックな雰囲気の中で、まるで学生に戻ったような気分を楽しんでいただいています。
出張日本語会話クラス 業種に合わせて内容をカスタマイズし、実用的な日本語レッスンをお届けしています。
お茶会 一学期に一度のお茶会は大人にも子供にも大人気。普段元気いっぱいの子供たちも、回を重ねるごとに美しい所作が身に付きました。
食育 日本といえば「食べ物が好き!」という声も多く、当校では “食育”も大切にしています。恵方巻づくりや、お味噌汁づくりなど、楽しく学べる食文化体験も大好評です。
Study Trip 年に一度の Study Trip。まさに大人の修学旅行です! 教職員が引率し、教室で学んだ日本語を実際に使ってみる貴重な機会となりました。 この旅行を励みに、一年間の学びを頑張ってこられた生徒さんも多くいらっしゃいます。個人旅行では手配しにくい場所へのグアムからの団体訪問も、Holiday Tours Micronesia (Guam), Inc.のご協力により実現しました。
今後に向けて 先日、グアム大学と人材交流に関する協定を締結いたしました。 将来的には、当校の日本語クラスでの履修をグアム大学の単位として認定していただけるような連携も視野に入れています。 また、「出張日本語会話クラス」を米軍基地内で展開し、基地内にサテライトスクールを開校することも目標としています。 そのため、米軍関連のイベントにも積極的に参加し、つながりを広げています。 さらに当コースは、当校の全日制への橋渡しとしての役割も果たしており、これまでに5名が当コースを経て全日制へ転入しました。 また、日本語支援が必要な全日制に通う8名が、放課後にJSL(Japanese as a Second Language)プログラムとして受講しています。今後は、この橋渡し機能をさらに強化していく予定です。 これからも、教職員が一つのチームとして仲良く助け合いながら、地域の皆さまに長く愛され、信頼される学校づくりに力を尽くしてまいります。
日本語会話・日本文化コースの教職員。力を合わせて生徒一人ひとりの学びを支えています。
親子教室「たんぽぽ」 グアム国際日本人学校では、乳幼児とその保護者を対象とした無料の親子教室「たんぽぽ」も行っています。 文部科学省が提唱する「日本型教育の海外展開」という言葉に背中をおされ、「日本型幼児教育の普及に努めたい」「異国での子育てに孤独を感じている保護者の支えになりたい」という教職員の思いから誕生したものです。 月に2回開催しており、毎回10組ほどの親子が参加してくださっていますが、赤ちゃん連れでも気軽に来られるよう、申込手続きはできるだけシンプルにしています。 また、プログラムは幼稚部の教員が作っていますが、クリスマス会や運動会などの学校行事にもご招待して親子で楽しめる機会を広げています。 「たんぽぽ」で本校の教育方針や雰囲気を感じ取ってくださり、そこで出会った親子が本校に入学してくださるというケースも珍しくありません。 母親同士の交流が生まれることが、何よりも嬉しいです。私たち学校を子育てのパートナーとして頼っていただけたらと思います。
クラフトで季節感を 毎回、季節にちなんだクラフトを用意しています。日本の幼児教育では、季節の移ろいを感じることが大切な学びのひとつ。常夏のグアムではなかなか体験しにくい季節感を、せめてクラフトを通して子どもたちに伝えたい。そんな想いを込めて、時間をかけて準備しています。
日本の絵本の読み聞かせ日本の絵本のすばらしさを、子どもたちに届けたい。新しい絵本にもアンテナを張って、日々チェックしています。
日本の童謡 ピアノの生演奏で童謡を歌うことにこだわっています。リトミックも取り入れています。
本校は、日本に関心をお持ちの全ての方へ、あらゆる教育ニーズに応える多面的な教育を提供する世界で唯一の学校でありたいと願っています。
グアム国際日本人学校https://jiaguam.org/
(グアム国際日本人学校プレジデント 時任佐絵子)