長年外交官として世界を飛び回った梅田邦夫さん。2020年に外務省を退職後、企業の社外取締役、大学の特任教授を務め、政治や経済を研究する複数のシンクタンクに籍をおき、さらに日本サッカー協会国際委員にも名を連ねるなど、「引退」とは程遠い日々を送っている。 闊達で明るい笑顔が印象的な梅田さんは、まるでスポーツ少年がそのまま成長したよう。 「なんで外交官になったのかわからない」という学生時代のエピソードから、その後の外交官人生で心に残っていること、そしてこれから取り組みたいことなど、情熱的に語っていただいた。
大きく翼を広げるハゲワシ。バオバブの木の下で群れるワオキツネザル。樹上で思い思いにくつろぐカメレオン……。ZUVALANGA(ズワランガ)が作る世界には、アフリカの「ある日のある一瞬」が凝縮されている。 太陽を受けてやわらかく光るビーズ。そのゆらぎが作品に命を吹き込んでいるようで、いつまでも眺めていたくなる。 ZUVALANGAは、北窓恵利香さんと夫の綾平さんによるアートユニット。アフリカの大地で出合った動物たちを、ワイヤーとビーズで表現している。 動物のかわいい姿やわかりやすい形をしたアート作品はたくさんある。しかし、ZUVALANGAが目指すのは単なるゾウではなく、「あのとき、あのサバンナで出会ったあのアフリカゾウ」なのだという。 動物の動きには、水を飲んだり、何かの匂いを嗅いだり、獲物を追っていたり、何かしらの意味合いというか、ストーリーがある。そういう動物の生きている姿を切り取った作品をつくりたい。 「その動物の向こうに、アフリカの風景が見えてくるような……。だって、動物は自然の景色の中にいる時が一番美しいから」と言う恵利香さん。アフリカの色彩にあふれたアトリエで話を聞いた。
小学4年生から中学2年生までの約5年間をアメリカで過ごした金子将也さん。その頃に始めた筋トレやスポーツに大きな影響を受けたという。帰国後はパワーリフティングにも挑戦し、大学時代には世界ジュニア選手権大会で種目別(ベンチプレス)第3位に輝いた。現在もトレーニングを続けながら、北海道のテレビ局で記者として活躍している金子さんに、海外経験やスポーツ経験によって培われた力について話を聞いた。
夫の海外駐在に帯同し、2011年からの5年間をタイで過ごした来海直美(きまちなおみ)さん。帰国後は日本語学校の教師をしながら、公立小学校・中学校で外国籍の子ども達をサポートする仕事に従事している。タイでの生活をきっかけに“失敗しても大丈夫”という価値観を大事にするようになったと語る来海さんに、海外生活を経ての変化と今の仕事への思いを聞いた。
石田千尋さんは、ドイツ・デュッセルドルフのこどもホスピス「レーゲンボーゲンラント(虹の国)」で夕青(ゆうせい)くんを見送った。そこでは「今」を大切に、生活することができた。そして今でも、ドイツに「仲間」がいることが石田さんの支えになっている。 そんなこどもホスピスを福井県にも作りたい。石田さんは9人の仲間達と「ふくいこどもホスピス」の開設を目指して立ち上がった。
沼さんは、あしなが育英会で「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」に携わっている。アフリカ49カ国出身の優秀な学生が日本を含む海外の大学に進学し、いずれはアフリカに戻ってアフリカの発展に貢献するリーダーになれるよう支援するプロジェクトだ。 小学校6年生から大学卒業までドイツとアメリカで暮らした沼さんが、どうしてアフリカに関わり続けてきたのだろうか。
カナダで生まれ、小・中学生の頃にはベトナムのホーチミンで暮らした経験があり、国際的に豊かなバックグラウンドを持つ早稲田大学の山下遥さん。大学では女子陸上ホッケー部に所属しながら早稲田大学 ICC(異文化交流センター)の学生スタッフとしても活動するなど、やりたいことはすべて挑戦するのがモットーだ。しかし、ベトナム生活を経験するまでは消極的な性格だったと話す。ポジティブな彼女のルーツに迫った。
「僕ね、いつも社会の不条理に怒っています。憤りが行動の原動力です」そう言う牧紳太郎さんは、快活でよく笑い、大きな声で話し、最新式のコンポストシステムを自慢し、こちらの話には「そうそう! それ!」と相槌を打ち、その場の空気をパッと明るくする人だ。時折「ちょっと図々しかったかなぁ」などと、照れながら気を配る。決して攻撃的な性格には見えない。
音楽の国ドイツに生まれ、音楽家の両親のもとで育った田中玲奈さん。帰国後中学の吹奏楽部でフルートを演奏し、アンサンブルが作り出す世界に魅せられた。そして日本、ドイツで研さんを積み、数々のコンクールで輝かしい成績をおさめることになる。 現在は大阪フィルハーモニー交響楽団の首席フルート奏者として活躍している。
幼少期から関心を寄せる日本史について独自の研究を重ね、近年はそのオリジナリティの高さと解説のわかりやすさから「古文書ハンター」としてメディアでも取り上げられてきた秀丈瑠さん。秀さんは上海のアメリカンスクールに通っていた経験を持ち、そこで現在の研究にも通じる大切な学びを得たという。今回、古文書を解読する魅力や海外経験で身につけた価値観について話を聞いた。
映像ディレクターの伊藤大地さん。1991年メキシコ・ゲレロ州タスコで生まれ、2歳半で愛知県長久手町(現、長久手市)に帰国、中学からは兵庫県三田市で育つ。アメリカ・ニューオリンズでアート業界の現場にふれ、帰国後は映像制作会社で実務経験を積んで2021年独立した。現在は仲間と一緒に富山県利賀村坂上地区の祭をテーマにしたドキュメンタリー映画を製作中。
現在、海外子女教育振興財団とともに日本人学校の英語教育プログラムの開発に取り組む池田 真さん。ブラジル・サンパウロに生まれ 5歳まで育つ。帰国後、東京の公立小学校へ。中1の夏に再びサンパウロへ引っ越し、サンパウロ日本人学校中学部に通う。