JOES Davos Next 2024開催!
2025年5月12日
Davos Next

JOES Davos Next 2024開催!

グループディスカッションの成果を発表

JOES Davos Next 2024のPART 2グループワークは、2025年1月19日、2月2日、2月16日、そして3月2日の合計4回。日本時間日曜日の午前8時、11時、午後5時にそれぞれ設定され、参加者は自分の都合のいい時間帯のグループを選んで参加するしくみです。今回も、「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」の挨拶が混在する、JOES Davos Nextらしい風景がどのグループでも繰り広げられていました。

 

ディスカッションの最終回では、恒例の成果動画を制作しました。ディスカッションをもとに各自で作成したスライドを持ち寄り、Zoomの録画機能を使って発表を録画します。うまく収録できたあるグループのクランクアップの瞬間、「朝早くの人も、夜遅くの人も、よく頑張ったよね! みんなすごい!」とファシリテーターが参加者をねぎらい、参加者たちは「ふたりのファシリテーターのおかげ」「グループを和ませていい空気をつくってくれた」と口々に答えていました。その光景からは、ここにいいディスカッションの場が育ったということを実感しました。

 

成果動画を収録中のグループの様子を覗いてみました。

(取材・執筆:只木良枝)  

 

成果動画を録画

あるグループでは、最終回の冒頭に「今日はやることいっぱいあるから、頑張っていこう」とファシリテーターが声を掛けました。

 

とはいえ、2週ごとに4回も顔を合わせてきた子どもたちは、「前回から今日までの間、何してた?」で盛り上がります。その中でひとりが志望の高校に合格したことを報告すると一斉に歓声が上がり、みんなが拍手をしました。数カ月前までお互いに全く知らなかったメンバーの間に、いつの間にか強い絆が育っていたようでした。

 

前回までのディスカッションを踏まえて、各自が作って持ち寄ったスライドを見ながら原稿を確認し、リハーサルへ。そしていよいよ収録開始です。手際よく分担して順番に発表していくグループ、たんたんと進むグループ、今年もそれぞれのカラーがはっきり分かれています。

 

なかには、「宇宙旅行を予定している人が、宇宙人と地球人のトーク番組を視聴する」という、とても凝った構成の動画がありました。動画投稿サイトそっくりに作られた画面は、動画の投稿主やアイコンまで用意され、さらに横に「おすすめ動画」まで出てくるこだわりぶり。その一つ一つが、いかにも観たくなるようなラインナップになっています。

 

番組では地球人と宇宙人に扮したメンバーが、「地球のここがすごい」「地球のここが問題」と語り合いました。「地球人のせいで宇宙が汚れてしまって」という発言には、ドキッとさせられました。

 

 

オンラインミーティングにつきものの通信トラブルは、やはり今回もあちこちで発生しました。話し合いの途中で画像が固まってしまったり、急に画面から消えてしまったり。「成果動画撮影中だけは、どうぞネットが切れませんように」と祈るような気持ちになりました。

 

成果動画を撮り終えると、子どもたちは、一斉に拍手。「やったー!」「できた!」と歓声があがります。

 

「撮り直しできるけど、したい人いる?」とファシリテーターが問いかけますが、「大丈夫」との返事。子どもたちの顔は、「やり切った」という充実感にあふれていました。  

 

JOES Davos Nextの枠を超えて

成果動画の撮影を無事に終えた各グループは、今回のJOES Davos Nextの振り返りをはじめました。子どもたちの口から、率直な感想が次々に述べられていきます。

 

宇宙についてあまり知らなかったという参加者たちは、「宇宙の問題を知って興味を持ったのでもっと知りたい」「知識ゼロからのスタートだったので、様々なことを学べてよかった」と、口々に宇宙を取り巻く問題とその深刻さへの驚きを語りました。

 

逆に、もともと宇宙好きで興味を持っていたという参加者からは、「宇宙のことをたくさん話せて楽しかった」「宇宙に関して自分が知っていることを、みなさんにアウトプットすることができてよかった」など、知識の共有の楽しさに触れた発言がありました。 

 

「合計8時間なんて、1晩寝るのと同じくらいの長さなのに、その間にすごくたくさんのことを学べたよね」と、自分たちの過ごしてきた時間が充実していることを確認する声もありました。「なんか、頭よくなったような気がするね」という微笑ましい言葉に、同席していた宇宙開発フォーラムの大学生は「みんな、もうそのへんの大学生よりも宇宙に詳しくなっているよ。宇宙開発フォーラムの仲間のレベルじゃないかな」と、にっこり笑いながら答えていました。

 

印象的だったのは、「同学年の子とは話せないことばかりだった」「宇宙について、深く詳しく考えることができてよかった」という趣旨の発言が相次いだことです。この言葉は、簡単に答えの出ない大きな課題の解決に向けて、一生懸命に考え、仲間と語り合ったディスカッションの場が充実していたことを、何よりも示しているのではないでしょうか。

 

さらに「今まで学校の友達とはこんなテーマで話したことはなかったけど、今回知ったことをまわりの友達にも伝えていきたい、そして一緒に考えていきたい」という決意表明もありました。

 

ここで生まれた知の興奮と課題解決への意欲が、子どもたちの「自分ごと」として、JOES Davos Nextの枠を超えてそれぞれの地元で広がっていく。その貴重な瞬間を目撃したような気がしました。 

 

 

子どもたちの力作の成果動画は、今年も特設サイトで公開する予定です。どうぞお楽しみに。  

ワークシート