岡田ファミリーは2012年からシンガポール、マレーシア、再びシンガポールと、計13年間の海外赴任生活を送ってきた。2025年に本帰国となったが、長女の弥々さんは単身でシンガポールの学校寮に残り、高校生活を続けている。「たまたま日系幼稚園に空きがなく、帰国までのしばらくだと考えて、近所のインターナショナル幼稚園に入ることになった」日から、現在まで弥々さんが歩んだ道のりと、弦也さん、博子さんが家族で重ねてきた選択の過程について、弥々さんが年末年始の一時帰省中に話を聞いた。
(取材・執筆:Makiko)
「たまたま」の重なりが、インターナショナルスクールへの道に
—弥々さんは今、単身でシンガポールのインターナショナルスクールの寮で生活を送っているのですね。
弦也:寮が楽しすぎるそうで、この帰省もね、したくないって言われたんですよ(笑)
弥々:寮に入るまでは、転入生だったこともあり緊張していて、友達もできにくかったのですが、寮に入った途端にみんなと仲良くなることができました。寮生活は本当にとっても楽しいです。
今年からIBのカリキュラムが始まったので、レポートだけでなく、アクティビティなどタスクが多いのですが、全部が楽しいです。これまで色々な学校に通いましたが、やっと今、「心から楽しめる」と思える環境にいます。
—弥々さんは3歳でシンガポールに渡り、インターナショナル幼稚園、インターナショナル小学校および日本語補習校に通い、6年生からはマレーシアのインターナショナルスクールに。10年生で再びシンガポールに戻った時に現在の学校に編入しました。
博子:そもそも赴任期間は3年くらいという話だったので、私も復職できるようにしていましたし、弥々も日系幼稚園に入れるつもりでした。でもなかなか空きが出ず、「数年なら」と考えて、ローカルのインターナショナル幼稚園に入園しました。中国語、英語、日本語の3カ国語を習うような園です。
その後、小学校入学のタイミングで、やはりここでも日本人学校に通わせようと、準備していました。でも、本人が「もっと英語を勉強したい」という気持ちになっていた時だったので、この時も「そろそろ本帰国だろうから、子どもがそう言うなら行ってみようか」と、インターナショナル小学校に通わせることになりました。
赴任している間、私は「いつ日本の教育に戻そうか」とずっと気にしていました。中学や高校受験もよく調べていましたし、土曜日に補習校に通わせたり英検を取得させたりして備えてはいました。ただ、マレーシアにスライド異動になった際に「補習校」という選択肢がなくなり、全日制の日本人学校かインターかという二択になったとき、弥々はどうしてもインターに進みたいという希望でした。
弥々:シンガポールでは、日本の勉強に関しては、補習校ということもあり、1週間分の勉強内容を短時間で終わらせるために休み時間が少なく、宿題が多く、「日本語はとにかく大変、難しい、できない」という経験になってしまいました。授業も、インターでは楽しく学べるような工夫が多いと感じますが、日本の勉強内容は気分が重たくなりました。母から日本人学校を何度か勧められましたが、「日本の学校に行ったら、これが毎日になるのか」と考えてしまって。
弦也:小学校は英語ネイティブの子どもたちばかりの学校に進んだため、英語力が追いつかず、学校から「学年を落としたらどうですか」と言われた時期もありました。マレーシアには2019年から2024年の5年間いましたが、ちょうどコロナで、全てオンラインという状況も長く続きました。 小さい頃から僕の仕事のせいで連れ回してしまい、「たまたま」の重なりで進ませてきてしまったので、本人の希望があるところはなるべく尊重したいと思っています。 小学校の間は英語や転校、大変だった?
弥々:うん。大変だったよ。
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いつしか身についた「生きる力」
博子:日本にいたら、きっと夫がここまで子どもの教育選択に関わることはなかったと思います。海外にいたからこそ、異動や進学のたびに夫婦で話し合い、夫も育児に関わってこられました。本帰国の際に弥々が単身でシンガポールに残るという時には、本人の希望がはっきりしていたので、最後には「腹を括って」寮に送り出しました。弥々が入寮の情報を自分で先生からもらってくるなど、生活の中で「生きる力」が身についていることを実感することが増え、その時には心配することも、ありませんでした。
弥々:学校は楽しいのですが、「自信のある科目」というのがまだないので、色々試して、探していきたいです。理科、特に生物に興味があります。日本では大学なら英語で学び続けられるので、日本の大学への進学も考えています。
弦也:自分は社会人になってから海外に出るチャンスをもらったので、子どもには自分が経験していない経験をさせたいという思いはありました。それぞれの苦労はあります。でも、常に新しいことに触れている方が人間は成長できると思いますので、子どもにもそれを体験してほしいと思います。






