国際高等学校(NUCB International College)
教頭補佐 松井萌美(めぐみ)
「将来の夢はなんですか。」
私はこれまでたくさんの小中高校生と出会ってきました。そして、どの年代にも必ず、夢がないことを悩む人たちがいます。学年が上がるにつれ、遠い未来のはずだった「将来」が「進路」「志望校」「職業」など言葉を変えて迫ってくる感覚に不安を感じる人もいるでしょう。
そんな人々に届けばと、3つの考え方を紹介します。
- たくさんの人生の事例を知ろう
- What would you do if you weren’t afraid?
- 今いる部屋がいっぱいに満たされた時、次の部屋への扉が開く
人は、知っている範囲で物事を考えます。例えば、花屋しか知らない子どもは花屋さんになりたいと言うでしょう。逆をいえば、大学を知らない人は大学進学という選択肢を持てないでしょうし、機械を知らない人はエンジニアの夢を描けないでしょう。だから、まずは知っている範囲を広げてください。色んな職業の大人と出会い、どうやってその仕事に就いたのか、やりがいは何かなど、たくさん質問して多様な人生の事例を知りましょう。
あなたの中に「人生データバンク」が出来る頃には、やってみたいこととやりたくないことが見えてくるでしょう。
これは『Who Moved My Cheese?(チーズはどこへ消えた?)』(著S. Johnson)という本に書かれている一節です。恐れがなかったとしたら、あなたは何をしますか。恥ずかしいとか、自分にはできないかもしれないとか、無意識に芽生える恐れを一旦横に置いて考えてみると、案外やりたいことが見つかるかもしれません。見つかったら、あとは行動するのみ。失敗したらどうするかは、失敗してから考えても遅くないかもしれませんよ。
勉強、部活、習い事、趣味...。今あなたが取り組んでいることに全力を注ぎましょう。今置かれている状況で最大の努力をし続け、その部屋がいっぱいに満たされた時、ふと、次の部屋へつながる扉が開きます。それは、レベルアップしたあなただからこそ開ける扉なので、部屋が満ちる前には想像すらしなかった部屋かもしれません。
夢がないことは決して悪いことではありません。むしろ、あなたの可能性を広げる最高のチャンスです。夢を叶えることは立派なことですが、それよりも大切なことはあなたにとって幸せな生き方にたどり着くことです。あなたがあなたらしい人生を描けることを心から願っています。