場数を踏んで、サバイブしてきた海外生活
2024年6月17日
イマドキの海外生活

場数を踏んで、サバイブしてきた海外生活

今回話を聞いたのは、マレーシア在住の眞鍋ファミリー。秀夫さん、奈美さん、奏大さん(14歳)、佳帆さん(8歳)の4人家族だ。2008年にシンガポールに駐在して以来、2012年にはインドネシア・ジャカルタへ、2019年から1年半を日本で過ごしたのちに再び2021年からシンガポールへ。2024年にはシンガポールからマレーシアへ異動となった。海外生活や引っ越し、今後の展望などについて、話してもらった。

(取材・執筆:Makiko)

シンガポールで迎え入れた保護猫姉妹、ラテちゃんとモカちゃんも一緒にシンガポールからマレーシアへ引っ越し
シンガポールで迎え入れた保護猫姉妹、ラテちゃんとモカちゃんも一緒にシンガポールからマレーシアへ引っ越し

新しい学校に通うのは、楽しみ

—取材を申し込んだ時点ではシンガポールにお住まいでしたが、その後異動となり、2カ月後となる取材日の今日はすでにマレーシアに越されて、現在はまだホテル住まいなのですよね。落ち着かれない中、お時間ありがとうございます。

 

秀夫:まさに、「辞令は突然に」です(笑)

 

—お子さんの心境から聞かせてください。妹の佳帆さんはジャカルタ生まれ、そこで1年間インターナショナル幼稚園に通ったのち、日本の幼稚園へ、そして年長の時点でシンガポールへ。そこでは日本人学校に通い、今回もマレーシアで日本人学校を選ばれたのですね。今回の引っ越し、転校にあたり、どんな気持ちですか?

 

佳帆:転校することになると聞いた時はびっくりしたけど、新しい学校に通うのは、楽しみ。今までもお友達のおかげで楽しく過ごせたから、また気の合うお友達ができたらいいなと思います。

 

 —何をするのが好きですか?

 

佳帆:シンガポールで始めたチアダンスをするのが好きです。家では日本語の本をよく読んでいます。  

 

—10年後のイメージはありますか?  

 

佳帆:日本でまた暮らしてみたいです。ダンスも続けていたいです。

 

右:チアダンスが趣味の佳帆さん(写真右)。マレーシアでも続けたいけれど、チアダンスの教室はまだ探し中   左: 奏大さんはシンガポールでは日本人会のサッカーチームに所属。日本人学校とインターナショナルスクールに通うそれぞれの仲間と交流し良い刺激を受けたという
左:チアダンスが趣味の佳帆さん(写真右)。マレーシアでも続けたいけれど、チアダンスの教室はまだ探し中  
右: 奏大さんはシンガポールでは日本人会のサッカーチームに所属。日本人学校とインターナショナルスクールに通うそれぞれの仲間と交流し良い刺激を受けたという

—奏大さんはシンガポール生まれ、ジャカルタで4年間インターナショナル幼稚園に通ったあと、日本人学校へ。その後日本で5年生までを過ごし、6年生でシンガポールに渡る時にインターナショナルスクールへ編入されたのですね。今回のマレーシアでは佳帆さんは日本人学校を選びましたが、奏大さんはインターナショナルスクールを希望したとのこと。ご兄弟で対照的ですね。

 

奈美:実験的子育てのようになっていますが(笑)、幼稚園時代の素地があったからか、奏大はインターへの馴染みが早かったです。  

 

奏大:シンガポールはマルチカルチャーなので、英語だけではなく、様々な言語や文化に触れました。勉強では1年くらいは英語で苦労しましたが、その後は特に不自由はないです。  

 

—転校についてはどんな心境ですか?  

 

奏大:前の友達とはオンラインでつながっていられるし、ここではまた新しい友達を作って頑張りたいです。  

 

—自由時間はどのように過ごしていますか?  

 

奏大:ジャカルタでサッカーを始め、シンガポールで4年ぶりに再開したので、マレーシアでも続けたいです。他にはゲームをしたり、猫と遊んだりしています。  

 

—成長する上で支えになったのは?  

 

奏大:友達。学校で流行っているものの話題に入りたくて英語を頑張れました。周りのことを知りたいという気持ちが成長に繋がったと思います。  

 

—進路はどう考えていますか?  

 

奏大:インターのカリキュラムの学び方が自分に合っているように思うので、数年は日本に行ってみたいという気持ちはありますが、海外で進学して就職したいです。10年後は、自分の好きなことを活かして、海外で仕事をしていたいです。  

 

—お子さんお二人とも、今回の引っ越しと転校に関して、急なことだったにも関わらずとても前向きで驚きました。  

奈美:どの国でもたくさんの出会いがあり、子どもたちの友人や先生方に本当に恵まれてきました。「新しい場所で受け入れられる」という経験を重ねたことが、彼らの心を強くしてくれたのだと思います。  

 

—学校選びはご本人の意志を尊重されているのですね。  

 

奈美:せっかく海外にいるのに日本人学校でいいのかな、とか、コロナ禍にインターナショナルスクールがオンラインだった時には、意味があるのかな、など迷うこともありました。でも、まずは本人の気持ちが乗ってこないと何事も伸び悩んでしまうので。  

 

秀夫:教育システムは日本の学校とインターナショナルスクールとでかなり違いますよね。子供の年齢が高くなるとインターでの学習内容もかなり難しくなってきますし、どの程度日本の学習を継続するかは進路と合わせて常に悩みながらです。大学受験についても、日本だけでなく世界全体を対象に情報を集めないといけないので、簡単ではないと実感しています。  

 

奈美:奏大は国語と英語はチューターをつけていますが、数学だけはこちらで日系の塾に通っています。日本の数学は体系的で頭の中が整理され理解が深まったようです。高校受験の予定がないので、今後はインター校の授業の補習塾に切り替える予定です。学校の授業もテストの頻度が高くなり、難しくなってきているので、頑張ってほしいです。

シンガポールのビルSIM LIM Towerで価格交渉やスペックの確認をしながら部品を調達し、自分で一からパソコンを組み立ててみたという奏大さん
シンガポールのビルSIM LIM Towerで価格交渉やスペックの確認をしながら部品を調達し、自分で一からパソコンを組み立ててみたという奏大さん

 

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