2024年4月1日
先生からのメッセージ

学校になじめないでいる君へ

昌平中学・高等学校
教頭・国際教育部長
前田紘平

 

私も帰国生です。昔の自分を思い出しながら書いています。


 小学校5年生のころ、アメリカへ行き現地校に入りました。授業を聞いても何もわからず、クラスメイトともコミュニケーションがとれませんでした。日本ではリーダーシップをとる方でしたが、アメリカでは次第に内向的になっていきました。宿題も多かったのでつらくて長い日々でしたが、好きなスポーツをきっかけに友だちが増え、楽しくなってきました。


 中学3年の4月に帰国し、地元の公立中学校に入りました。すっかりアメリカにその頃はなじんでいたため、そのころには日本の中学校の規則が合いませんでした。日本の生活に復帰することと、高校受験のストレスが重なり、苦労したのを覚えています。


 大学卒業後、メーカーや商社で海外営業の仕事に携わり、現在は学校に勤務しています。自分のキャリアはアメリカでの経験なくしてありえません。大変なことも多かったですが、日米両方の学校に通い、異文化の中で過ごしたからこそそれぞれの良さや考え方の違いに気づくことができました。大人になってからやっと小中学生の頃の経験が貴重であることに気づきました。


 これを読んでいるみなさん、苦労は多いでしょうが、それは必ず「お金では買えない貴重な経験」に変わります。アップル社を創業したスティーブ・ジョブズ氏は2005年、スタンフォード大学卒業式でのスピーチで次のように語りました。


「将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々は今やっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかありません。」


 そう、信じるしかないのです。信じて目の前のことに一生懸命取り組めば道は拓けます。応援しています。

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