2025年2月25日
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JOES Davos Next 2024 実践報告(京都府宇治市立岡屋小学校教諭 小畑英毅)

 JOES Davos Next 2024に学校参加してくださった京都府宇治市立岡屋小学校の小畑英毅先生が、どのように授業を進められたのかレポートを送ってくれました。ご紹介します。

【JOES Davos Next 2024 実践報告】

 2024年12月末から翌1月中旬にかけて、全3時間をかけて取り組みました。対象は小学校5年生56人と、6年生63人です。

 本校の子どもたちはこれまで、SDGsに関する学習を深めてきました。環境や貧困の問題を考える際にも「地球規模」を意識できるように指導してきました。その先にある宇宙を意識させ、「スペースデブリの問題は、これまでに学習してきた町のゴミ問題と同じであること」、「ISS(国際宇宙ステーション)の中での暮らし方は、今後の地球で暮らすヒントになること」に気づかせることが目的です。

 指導内容は、次の3つです。

①山崎直子宇宙飛行士の基調講演の動画を見せ、感想と質問を個人で持つ。

②感想や質問をもとに、学級で交流する。

③上記の活動を、基調講演の3つの動画ごとに繰り返す。

 子どもたちからは、次のような感想が寄せられました。一部を紹介します。

・宇宙から見た地球はすごく綺麗で感動しました。富士山が思ったより綺麗に見えることにびっくりしました。夜景や台風の目などが、想像していたものとは違う感じで写っていて、他のところも見てみたいなと思いました。宇宙から地球を見るだけで、環境問題が見えてきて問題が深刻なんだなあと実感しました。

・地上から見ているのと、宇宙から見るのは、全然違うなと思いました。天気予報も人工衛星なんだと初めて知りました。30分に12回もできるなんてすごいと思いました。宇宙はSDGsにも関わっていると思いました。どこかが変化した時に、宇宙から見るというのはすごいと思うし、人間と一緒なんだなと思いました。

・宇宙ゴミは危なくて少なくすることはできるかわからないけれど、地球でも減らす取り組みをしていきたいなと思いました。僕は宇宙ゴミを減らすために、世界で考えていかなければいけないなと思いました。みんなが関係していることを考えたり、世界で考えていく考えをしていていいなと思いました。

・(宇宙ゴミを)大きなあみで捕まえたり、粘着テープを使ったりいろんなアイデアがあったのに、どうして成功できていないのか気になりました。宇宙のいいところとかに興味を持ったけれど、地球と似て宇宙にも問題点があるんだなと思いました。

・日本人で宇宙に行ったことのある人は11人で意外と少ないと思いました。有人宇宙船を持っている国は3カ国しかないと初めて知りました。それも、国際交流なのかなと思いました。宇宙船では、非常事態の時は宇宙船に決定権があると知って、地上とどんな決定の違いがあるのか知りたいです。

・宇宙プロジェクトはその国だけでやっていると思ったけれど、外国とも協力してやっていることにびっくりしました。協力して、どうしたら遠くの星まで行けるのかなどを考えていることにもびっくりしました。

 本校はSDGsを通して、地球規模で見たり考えたりできる児童の育成を目指してきました。今回気づいて欲しかったことは、身近な問題も、宇宙での問題も同じように考えることができるということです。ゴミや水の問題もリサイクルやリユースが活かされていることに気づいている児童もいました。

 また、友達と協力することと国際協力は、相手を理解する、尊重することから始まるということは同じだと気づいている児童もいました。担任として同じようなことを伝えてきましたが、宇宙に行ったことがある山崎さんから言ってもらうことで理解が深まったり、新たな気づきがあったりしたと思います。

 また、自分の考えを共有する学習のプロセスはいつもやっていますが、Davos Nextに参加することで、また違った境遇や年齢の人の意見を聞いたり、交流したりすることができます。そうすることで児童の視野が広がり、当初の目的である地球規模で見たり考えたりできる児童へと成長してくれると思いました。

 教室の中で行う学びを生かしつつ、教室の外とつながり、どんどん広い世界へ興味をもって、人生を楽しんで生きて欲しいと思いました。とても貴重な体験をすることができました。ありがとうございました。