クラーク記念国際高等学校賞

世界一幸せな犬

                       韓国・ブンダン補習授業校(大韓民国)

小6 荒木 亜凜

          

ブォーン

わたしは朝一番のバスの音で起きる

タッタッと足音ならしながら

大好きなお姉ちゃんの所へ行き顔をそっとなめる

お姉ちゃんは目をつぶったままわたしをなでてくれる

 

ロコロコロコロコ

朝コーヒーをいれる音

家中にわたしが好きな土の香りが広がる

優しいママが言う

おはよう、よく眠れたの

わたしは背伸びをしながらよく眠れたよと答える

 

ポッポー

お姉ちゃんを見送る時の合言葉

行ってらっしゃい

パパの口にもポッポーをして見送る

タニョオセヨ

最後に玄関の鏡にいる知らない犬に

君はだれだとウォフウォフほえる

 

ピンポーンピンポーン

だれが来た

こわいおじさんこっち来ないで

宅配の箱の中はもしかしてわたしのごはん

 

ピッピッピッピッティロリ

お姉ちゃんがやっと家に帰ってきた音

急いで玄関に行き

足踏みをくり返す

ドアが開くその瞬間が一番待ち遠しい

 

カラカシュカラカシュ

リードを取り出す音

お散歩行くよとお姉ちゃん

 

警備のおじさんにアンニョンハセヨ

わたしの友達ポリにアンニョンハセヨ

そろそろ足が疲れてきたから

冷たいコンクリートの道に寝転び一休み

お姉ちゃんがそんなわたしをかかえて家に帰る

 

ダッダッダッダッ

ママとお姉ちゃんがかけ足で玄関に集合

わたしもそれを追いかける

パパがやっと帰ってきた

チキン買ってきたよ

いいにおいがする食卓に行き

お姉ちゃんでもなくママでもなく

この時はパパの横にちょこんと座る

チキンをもらえるまでじっと待っている

 

こんな一日うらやましいでしょ

わたしは世界一幸せな犬