Japanese School in Oman 所在地:オマーン URL:Oman.jss@gmail.com 児童生徒数:小=8人 中=3人
スルタンが治める国『Sultanate of Oman』
国の名称からもわかるように世界で2国しかないスルタンが治める君主制の国です。男性は「ディシュダーシャ」と呼ばれる衣装を着て、「マッサル」という布や「クンマ」と呼ばれる帽子を被る伝統的な服装をしています。また、近隣諸国同様、大半の女性が「ヒジャブ」を被り、「アバヤ」を着ています。近代的な生活様式の中でも伝統が息づく歴史ある国です。
アラビア半島の東南端に位置し、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、イエメンと国境を接し、ホルムズ海峡を挟みイランと向かい合っています。地理的に複雑な位置ととらえられるものの、その政治的なスタンスから中東のスイスと呼ばれています。山が連なり青い海に面した美しい街の様子や穏やかな人々の姿から日本人が持つ中東のイメージは大きく変わることでしょう。
オマーンで輝く子どもたち
本校は、世界に4校しかない準全日制の補習授業校です。他の補習校とは異なり、子どもたちは日中、現地校やインターナショナルスクールで学び、それから補習校に登校してきます。補習校での学習は、日曜日から木曜日までの週5日間、低学年の児童は夕方の早い時間から2時間、高学年の児童と中学生はその後2時間です。児童生徒は、それぞれの教室で指導要領に沿って学習をしています。学年によっては複式学級となり、他の学年の児童生徒と机を並べて学習することもあります。在留邦人100人ほどのオマーンにおいて、家族以外の人と日本語で一緒に過ごす経験はどの子にとっても貴重な経験です。放課後にクラブ活動があった時などは、くたくたになって補習校へと登校してくることもありますが、授業中は一生懸命に学習に取り組み、休み時間は元気いっぱい走り回って過ごす子どもたちの姿に驚きます。
補習校では、国・算(数)・社・理の4教科を学習しています。将来、日本で学習することになる子どもたちが不安なく、円滑に学校生活や学習に適応できるように指導しています。日本への直行便もなく、遠く離れたオマーンでは、理科の実験道具が揃わなかったり、国語や社会等で扱う題材になかなかピンとこない児童生徒もいたりします。そのため、毎日の準備では代わりとなる道具を探したり、子どもたちの生活や経験を参考にしながら理解できるように話す準備をしたりと試行錯誤を繰り返しながら取り組んでいます。また、海外生活が長い子どもたちにとって、少しでも日本の四季や学校生活を感じていけるように、授業の合間に豆まきなどの季節の行事を行う集会活動や避難訓練などの様々な学校行事を企画しています。補習校だけではできない運動会も日本人会と協力して開催したり、様々な分野でご活躍の在留邦人の方に講演会をしていただいたりと多くの方々のお力を得て補習校を運営しています。このような大人の姿が子どもたちの目をさらにいっそう輝かせていることを嬉しく感じます。
本校の教育目標は「世界を見る二つの窓を備えたグローバルな子どもの育成」。ダブルスクールという環境の中でものびのびと学ぶ子どもたちに日本語とアラビア語という二つの窓からものを見ることができる世界観を持った子どもに育ってもらいたいという思いを込めています。子どもたちにはこういった学習の場所を提供してくれているオマーンでの生活や体験を大切にしてほしいと思います。昨年創立40周年を迎えたオマーン補習授業校がオマーンで頑張る子どもたちにとって大切な場所であるようにこれからも保護者や日本人会の方々と協力しながら運営していきたいと思います。
こどもたちから