大学における部活やサークルは多種多様で、高校の部活動と比べても選択肢がグッと広がるのが魅力。大学入学後に所属した部活やサークルで、新たな挑戦をスタートする学生も少なくありません。今回はそんなさまざまな活動団体のなかから、ユニークな活動を行う部活をピックアップしてご紹介。その知られざる活動内容に迫ります。
(取材・執筆:ミニマル市川茜)
① 東京海洋大学・うみがめ研究会
最初にご紹介するのは、東京海洋大学の「うみがめ研究会(通称:かめ研)」です。うみがめ研究会で第26代会長を務める高橋佑征さんによれば、その創立は1996年のこと。東京海洋大学の前身のひとつである東京水産大学だった時代に、「水産生物研究会」から派生して設立されました。現在は、1年生から3年生を中心に40人前後の学生が所属しています。
活動の拠点となるのは、東京海洋大学の品川キャンパス。ウミガメの生息地となる海が近くにあるわけではないため、普段は都内近郊での活動に力を入れているといいます。
都内近郊でウミガメが漂着(ストランディング)したときにその個体を調査する「ストランディング調査」もそのひとつ。ウミガメなどの海洋生物保全に取り組むNPO法人の協力のもと、同研究会では主に死骸を解剖して食道・胃・腸の内容物を調べる「同定会」を行なっています。
「漂着したウミガメの胃や腸の内容物を水に溶かして分離させてみると、ビニールやプラスチック片、網ひも、お弁当に入っているような醤油入れが見つかることが少なくありません。ウミガメは絶滅の危機に瀕している生き物でもあり、環境汚染や生態系について考えるきっかけにもなっています」(高橋さん)