Calgary Japanese Community School
所在地:カナダ国アルバータ州カルガリー市
児童生徒数:幼=57人 小=69人 中=23人
カウボーイの街カルガリー
カルガリー市のある、カナダ中西部アルバータ州には、西側にカナディアンロッキー、東側には大平原が広がっています。かつては、カウボーイたちが駆け巡った平原では、石油や化学燃料などが発掘され発展を遂げてきました。それまでにあった牧場などは、高層ビルへと変貌し、広大な大平原の産業の中心都市となりました。
しかしながら、現在もカウボーイの精神は受け継がれています。毎年7月には、世界最大級のカウボーイたちのお祭り「スタンピード」が開催され、街中は熱気にあふれ賑やかになります。
1988年には、冬季オリンピックも行われ、国際都市として発展しました。日本の成田国際空港から直行便で約10時間弱の距離に位置するこの街は、カナディアンロッキーへの観光窓口にもなっています。
カルガリー市の現地教育制度は、日本と同じ小学校、中学校、高等学校制度ですが、高校は義務教育であり、入学試験等は基本的にはありません。近年、小学校高学年と中学校が一緒になったミドルスクールも増えてきています。
新年度は、9月初旬に始まり、6月末に終わります。移民大国のカナダにあるカルガリー市の現地校は、市の教育委員会にて、各言語の通訳を無償で派遣してもらうこともできます。
アイデンティティの維持と子供達の成長を支援する学校
本校は、有志の保護者の熱き想いが集まり協力し合って、2013年4月に設立することのできた学校です。その熱き想いとは、このカルガリー市で日本人の子として生まれ育つ子供たちに「日本語」を自身のアイデンティティの一つとして残してあげたい、そして、日本へ帰国した際に日本での教育についていけるよう支えてあげたいというものでした。
2023年6月現在、幼児部、小学部、中学部を合わせて約150人の生徒が在籍し、週一回、毎週土曜日に、幼児部(年少クラス:1時間半、年中クラス:2時間、年長クラス:2時間半)、小・中学部(国語と算数・数学各2時間半、合計5時間)の授業を行っています。特に、小・中学部の国語と算数・数学に関しては、日本の学校と同じペースで授業を進め、一週間に一日の授業日で日本の学校の一週間分を補っているため、生徒達は家庭での課題にも一生懸命に取り組んでいます。
本校は、海外の補習授業校として、前述のような日本の学校への適応、日本人としてのアイデンティの形成を目的としていますが、さらに、学ぶのは生徒であるということを忘れず、生徒自身が日本のこと、そして、日本語が好きで、日本語を学ぶ期間を少しでも長く維持することが出来るように、教員及び運営委員会が支援、協力し、学校作りを行っています。
当校が目指す生徒像は、「思いやりと自分で判断できる力」。一人一人がクラスメイト、先生、家族に思いやりを持って接し、良いこと、良くないことに対する判断ができ、そして、それを実行することにより、学習しやすい環境を作ることがとても大切であると考えています。
全保護者は、各種の委員会活動に参加し、学校活動を円滑に行えるよう協力して、学校を盛り立ててくれています。
学校行事としては、入学式、卒業式、運動会や発表会、作品展などを行なっています。
運動会は、生徒たちにとって最も楽しみな行事。毎週、机を並べ、必死に白板に向かって勉強している生徒たちが、年に一度、一斉にグランドに出て大空の下で、お互いを励まし合い応援し合いながら汗を流し、協調性や共感性を高めています。また、3学期には、漢字コンクール・計算コンクールを行い、達成感を得て、学習のモチベーションを維持・向上させることを目指しています。
このように、本校はカルガリーで暮らす日本人の子供たちにとって大切な教育の場となっています。日本の教育に触れながら同じ背景を持つ仲間と交流し、共通の文化や言語を共有することができるのです。カルガリー日本人コミュニティ・スクール補習授業校は、子供たちの日本人としてのアイデンティティの維持と成長を支援する重要な存在であり、日本の教育と文化を大切にしながら、カルガリーでの生活を充実させる場を提供しています。(2023年9月現在)
こどもたちから