グローバル教育+理系教育+秀英アカデミアの3本柱で
「自律した自己」を育む「骨太な進学校」
建学の精神は「明朗謙虚」と「勤勉向上」
千葉県の幕張エリアに位置する昭和学院秀英中学・高等学校は、「骨太な進学校」をスローガンとして掲げ、生徒の自己実現を支えていく「質の高い学び」を提供している。建学の精神は、「明朗謙虚」と「勤勉向上」。ここには、明朗で勤勉な態度を持ち、他者への敬意を忘れずに自らの向上を目指す人間づくりを行うというメッセージが込められている。
「生徒の自己実現を支える『自律した自己』と不確実な未来に対応するための『学力・教養』は、中学・高校時代の学びの中から育まれていくものです。そこで、進学指導に加え、グローバル教育、理系教育、教養教育などによって、『骨太な資質』を育て、自ら考える力を養成しています」
そう語るのは、就任3年目となる田中尚子校長。自身も家族の海外駐在に同行し、アメリカで子育てをした経験を持つ。現地の教育に触れ、多様性のダイナミズムを実感した経験もあり、現在はグローバル教育にも力を入れている。
「骨太な進学校」として、先進的なプログラムを展開する昭和学院秀英中学・高等学校の教育の3本柱は以下の通り。ひとつずつ解説しよう。
① 多様な価値観を理解し、世界で活躍できる人をつくる「グローバル教育」
② 科学への好奇心を持たせ、情報社会をリードする人をつくる「理系教育」
③ 「もっと知りたい」を出発点とし、探究に自ら進める人をつくる「秀英アカデミア」
https://www.showa-shuei.ed.jp/feature/
中学・高校で海外研修の機会を用意
まず、①の「グローバル教育」として、世界を舞台に活躍する広い視野を備えた人材を育成するために、ハイレベルな英語教育、多様な語学研修プログラムを提供している。例えば、中学校では中高一貫校用テキスト、高校では大学入試向けの多種多様な副教材を使用し、ワンランク上の英語教育をハイペースで行っている。
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「グローバルを体験する場として、中学1年次のTGG(Tokyo Global Gateway)での英語研修、中学2年次の福島県にあるブリティッシュヒルズでの宿泊研修、中学3年次の北米語学研修などを用意しています。さらに、高校生になるとマレーシアやアメリカで行う海外短期研修に参加することも可能です。また、学校の立地が近い神田外語大学と提携して、外国人専任講師による完全英語のアカデミック講座も実施しています」
高校生が参加できる海外研修の提携先は、マレーシアのスウィンバーン工科大学サラワク校、カリフォルニア州立大学イーストベイ校。それぞれ大学寮に宿泊しながら、英語による研修を受けて、視野を広げることができる。
高校3年生の6割が理系クラスを選択
②の「理系教育」は、Society 5.0時代に求められる情報活用能力の養成を目的とするもの。理科の実験授業、理数探究授業など、文理融合の理系教育に力を入れている。2025年度からは、理数探究授業(週2時間)を理系クラスで実施。理科と数学の教員が担当となり、探究授業を展開している。
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「本校では、高校3年次まで数学を履修するなど文理融合の教育を推進しており、現在は高校生の6割が理系クラスで学んでいます。女子生徒の理系比率が高いのもポイントです。医学部進学を目指す生徒も増えています」
学校が研究費を助成する「秀英探究プロジェクト」
③の「秀英アカデミア」は、生徒の知的好奇心の喚起と学力の向上を目的とした探究授業のこと。外部講師による多彩な出張授業、「秀英探究プロジェクト」、外部コンテスト・プログラムへの参加などを通じて、生徒の主体性を伸ばしている。
なかでも「秀英探究プロジェクト」は、認定された研究チームに学校から研究費が支給される取り組み。生徒たちが自ら研究テーマを選び、校長に向けて研究計画をプレゼンテーションして、認定チームを決定する。2024年度に認定されたチームの探究課題は、「江戸藩邸の屋敷神について」。高校2年生5人のチームが、全国各地の江戸藩邸を調査して、発表を行った。

「ほかにも『トビタテ!留学JAPAN』の奨学金に応募し、3週間のフィリピン留学を実現させた生徒もいます。彼女は『日本の自殺死亡率を下げる方法をフィリピン・セブ島で調査』という探究テーマを掲げ、奨学金を獲得しました。さらに、千葉大学国際研究発表会に参加し、英語で防災をテーマにした発表をした生徒もいます。こうした外部コンテスト・プログラム参加も『秀英アカデミア』の枠組みで積極的にサポートしています」
中学・高校入学に合わせて帰国生入試を用意
昭和学院秀英中学・高等学校では、中学・高校の入学に合わせて、帰国生向けの入試を実施している。
まず、高校入試では、一般の試験が国語・数学・英語各100点+理科・社会各60点の計420点満点で評価するのに対し、帰国生入試では、一般と同様の国語・数学・英語各100点+英語Ⅱ(Writing)120点の計420点満点で評価する。毎年12月から出願がスタートし、試験は1月に行われる。オンライン試験等は行っていない。
https://www.showa-shuei.ed.jp/prospective_senior/
中学校入試では、毎年1月に午後特別入試と第1回入試、2月に第2回入試があり、12月から出願できる。2025年度から帰国生向け入試もスタートする。内容は筆記試験と面接。筆記試験は、国語・算数・英語各100点の300点満点で、英語は英検準2級レベルがあれば心配ないという。
https://www.showa-shuei.ed.jp/prospective_junior/
なお、中学・高校いずれも帰国生向けの編入制度は用意されていない。
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ニューヨーク州立大学オスウィーゴ校などへの「海外大学協定校推薦」も
卒業生の進路に関しては、国内の国公立大学、私立大学上位校を目指す生徒が大半だ。2025年度は東京大学に6名、京都大学に3名の現役合格者を出している。早稲田、慶應、上智などへの進学実績も多数ある。また、医学部進学を支援する「チームメディカル」があり、入試のサポートなどを行っているという。
近年は海外大学への進学支援にも力を入れており、ニューヨーク州立大学オスウィーゴ校、カリフォルニア州立大学イーストベイ校、スウィンバーン工科大学サラワク校との間で、「海外大学協定校推薦」に関する協定を締結。学校が推薦する生徒には、奨学金を受けながら同大学に入学する道が開かれる。
https://www.showa-shuei.ed.jp/feature/results/
最後に、田中校長から帰国生に向けて、メッセージをいただいた。
「日本以外の国で過ごした経験は、自分自身が思う以上に貴重なものです。この価値ある経験を存分に生かせるように、在校生と帰国生がお互いに刺激し合える環境をつくっていきたいと考えています。幸い本校は、自ら行動し、目標に向けて積極的に挑戦する生徒がたくさんいます。この校風は、帰国生のメンタリティと親和性が高いと思っています。本校には、海外研修や長期留学の制度もあります。ここで学べば、国内・海外両方の大学進学を検討できます。ぜひ、海外で身につけた知識や経験を昭和学院秀英中学・高等学校でさらに伸ばしてください」