シオン幼稚園【東京都】
2025年1月27日
受け入れ校紹介

シオン幼稚園【東京都】

子どもの自発性を大切にする
キリスト教主義のアットホームな幼稚園

「遊び」を通じてこの世界で生きていく土台を築く

シオン幼稚園【東京都】

シオン幼稚園は、東京都渋谷区にあるキリスト教主義の幼児教育施設。運営する代々木教会は、日本キリスト教団に所属するプロテスタント教会で、1931年にアメリカの福音教会の宣教師によってこの地に設立されたという歴史がある。シオン幼稚園の前身にあたる若葉幼稚園も同じときに開設され、現在に至る。

 

「シオン幼稚園の特長は、『自由保育』を大切にしていることです。勉強の時間は一切ありません。未就学期に必要なのは、『遊び』です。お友達と遊ぶなかで、遊びのルールを知り、新しい遊びを生み出していく。その経験を繰り返すことで、この世界で生きていく土台を築くことができるのです」

 

代々木教会の主任牧師でもある佐野真也園長
代々木教会の主任牧師でもある佐野真也園長

そう語るのは、佐野真也園長。代々木教会の主任牧師も務めている。園長の言葉にもあるようにシオン幼稚園では、「国語」や「算数」などの勉強の時間を設けていない。あるのは、週1回の「体操」の時間くらいで、残りは自由遊びの時間やクラスでの活動時間だという。そのような教育方針なので、「英会話」の時間なども設定していないが、立地柄、保護者が外国籍の子どもたちも通っていて、どこかグローバルな雰囲気を感じることができる。

 

都内の中心にありながら、木製のアスレチック遊具などがある園庭もあり、泥んこ遊びもできるのがシオン幼稚園の特長。子どもたちは、天気が良ければ園庭で泥だらけになって遊んでいるという。敷地内には、代々木教会の礼拝堂があり、保護者と一緒に参加できる絵本の読み聞かせイベントがこの取材した日には開催されていた。また、絵本や紙芝居が充実した図書館もある。
 

敷地内にある絵本図書館
敷地内にある絵本図書館 

自由遊びからスタートするシオン幼稚園の1日

シオン幼稚園の1日は、8時50分~9時10分の登園後、、自由遊びの時間で、10時40分からは年少・年中・年長の各クラスでの活動(ままごとや積み木遊び、製作活動や運動遊びなど)、11時50分ごろにランチが終わると午後も自由遊びの時間。最後に30分ほど帰りの集まりの時を持ち、お祈りや絵本の読み聞かせをし、14時にお迎えの時間となる。預かり保育も実施していて、通常保育修了後、14時から17時まで園内で預かってもらえる。また、夏休み、冬休み、春休みの長期休暇の時期は、最大9時から17時までの預かり保育も実施している。

シオン幼稚園【東京都】
シオン幼稚園【東京都】
体操の様子

「併設する礼拝堂で、日曜礼拝(親子教会学校)も行っています。毎週日曜日の朝、保護者の方と一緒に礼拝を行います。賛美歌を歌い、牧師の話を聞いたり、お祈りをしたりします。その後は、園庭でお友達と遊ぶ時間もあります。海外駐在の経験者のなかには、駐在先で日曜礼拝に参加していた方もいます。親子で楽しむ日曜のいい習慣になっているようです」

キリスト教カルチャーを体験できる年中イベントも

シオン幼稚園では、さまざまな年中行事も楽しめる。春の遠足、夏のキャンプ、秋のプレイデー(運動会)のほか、11月の収穫感謝祭、12月のクリスマス会などキリスト教カルチャーを体験できるイベントもある。年長クラスでは、春先に神奈川県川崎市内の農園でサツマイモの苗付け体験をして、秋のイモ掘り遠足で収穫し、冬に園庭で「焼きイモパーティー」をするという年間を通した一連の体験から学べる行事も用意されている。

各クラスの部屋もアットホームな雰囲気
各クラスの部屋もアットホームな雰囲気

シオン幼稚園があるのは、小田急線「代々木八幡」駅徒歩圏という絶好のロケーション。お迎えの後は代々木公園やはるのおがわプレーパークに立ち寄って少し遊んだり、話題の「奥渋谷」で寄り道をしたりしてから帰ることもできる。幼稚園で送迎バスの運行はしていないので、徒歩や自転車で毎日通園できる人が対象となる。キリスト教系幼稚園だが、保護者のほとんどはノンクリスチャンだという。

 

「詰め込み教育は小学校に入ってからで十分です。未就学児はとにかく遊ぶことが一番!遊びを通して、夢中になることを見つけ、それが社会を生き抜く力の基盤になります。キリスト教の教えに触れることで、お友達にいじわるをしないこと、自らすすんで困っている人を助ける姿勢などが幼少期に自然と身につくのも当園の魅力だと思います」   

シオン幼稚園【東京都】

 ——————————————————————————

【保護者の声】

 

「自主性」が育っているのを日々感じます

在園児保護者Aさん 

シオン幼稚園に通う前、わが子は2歳児までの小規模な保育園に通っていました。次の保育園・幼稚園を探し始めた際に、保育園内に貼ってあったチラシでシオン幼稚園のことを知りました。預け時間が長い「こども園」と比較して、悩みましたが、園庭があり、外遊びが多く、のびのびと過ごせそうな点に魅力を感じ、こちらに決めました。仕事をしながら、幼稚園に通わせるのは実現可能なのかと不安もあったので、入園前に主任の先生と直接お話をして、最終的にこちらに決めました。

 

シオン幼稚園は、「慣らし保育」が比較的長めなので、入園後は隙間時間に仕事をしながら、リモートワーク中心だった夫とも協力しながら……という家族の一大プロジェクトとして、登園をスタートしました。最初は保育園とのギャップを痛感したのを覚えています。ただ、丁寧な慣らし保育のおかげで、子どもはた途中で「幼稚園に行きたくない」と言い出すことはなく、ゆっくりと新しい集団生活に馴染ませてもらえたのはよかったです。

 

園内にはキャラクターや完成されたおもちゃがほとんどないという点もこちらを選んだポイントでした。また、いわゆる「お勉強」や早期教育のような時間もなく、自由時間が多いので、そのなかで自分のやりたいことを見つけることができます。うちの子は「いいこと思いついた!」と言いながら遊びを展開していくことが多いのですが、自らの頭で考えて、自分の身体を使って、試してみる「自主性」が育ってきているのを日々感じます。これもシオン幼稚園の自由遊びのなかで身についてきているのだろうと思います。

 

 

自己肯定感や非認知能力が身についた  

卒園児保護者Bさん 

シオン幼稚園のことを思い出すと心がポッと温かくなります。キラキラした目をして遊ぶ元気な子どもたちとお菓子箱でつくられた巨大な創作物。泥んこになって夢中で遊んで、2回も3回も着替えたわが子とそれをうれしそうに話してくれる先生。「風邪でお休みしたお友達が早くよくなりますように」と神様にお祈りをする子どもたち。いずれも忘れられない思い出です。

 

娘と息子はそれぞれ3年間をシオン幼稚園で過ごしました。ありのままの自分でいられて、それをみんなが認めてくれる。そんなアットホームな環境で、大人やお友達に信頼感を持って成長することができました。中学3年生になった娘は、漠然とした不安な気持ちを先生に受け止めてもらったことを今でもよく覚えているようです。例えば、園庭に行きたくない気分のときに、出入口に積み木を置いてみんなの活動を見ながら過ごさせてもらったり……。まず子どもの想いを受け止めてから指導してくれるので、マイペースな娘も一歩一歩成長することができました。

 

卒園してからも「シオン幼稚園でよかったなぁ」と思うことがたくさんあります。今でこそ自己肯定感や非認知能力、やり抜く力の大切さを謳う情報を目にしますが、シオン幼稚園はずっと前からそれらを大切にしていました。最近、小学校で導入された「探究学習」も園生活そのものです。子どもの成長を木に例えると、目に見えないけれど一番大事な根っこの部分を丁寧に大きく育ててもらえたと思っています。

※「保護者の声」は保護者向け冊子「シオン幼稚園ってどんな園?」より抜粋

シオン幼稚園【東京都】
<DATA> 
所在地:東京都渋谷区元代々木町26-1
TEL:03-3466-4754
交通:小田急線「代々木八幡」駅から徒歩5分
URL:https://shion.ed.jp
園児数:年少・年中・年長合わせて38名(男子19人、女子19人)
教職員数:専任6人、非常勤6人