2024年10月7日
トピックス(その他)

世界とつながれ パリ日本人学校の絆  

東京オリンピック・パラリンピックのレガシーをパリへ 
フラワーレーンプロジェクト PARIS 2024

東京オリンピック・パラリンピックは新型コロナ感染防止のため無観客でした。その際、会場で選手団を迎えたのが、東京都や近隣県の学校で育てたアサガオでした。

2021年の秋、当時のパリ日本人学校長、小野江隆先生が、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会に「東京のレガシーをパリでも受け継ぎたい」とお願いしたところ、東京からアサガオの種100粒が送られました。これが本校でのフラワーレーンプロジェクトのスタートです。毎年、実行委員会を組織して、2年間で3000粒ほどに種を増やし、今年のパリオリンピック・パラリンピック開会式までに320鉢を育て、毎日水やりなどの世話をしてきました。

アサガオは、東京周辺ではほとんど苦労することなく花を咲かせますが、パリは北海道の北、サハリン(樺太島)とほぼ同じ緯度のため、日本と気候が異なり、5月、6月でも寒い日があります。そこで、全ての鉢にビニールをかけて寒さからアサガオを守りました。また、夏場のパリは日照時間が長く、夜の9時を過ぎても明るいため、日が短くなることで花を咲かせようとするアサガオの特徴に反していて、なかなか開花しませんでした。

最初にNHKが取材に来たのが6月27日で、その時は開会式に花が間に合うかドキドキしましたが、オリンピック開会式直前の7月23日に最初の花を見たときには、ほっと一安心しました。

7月31日には、ボランティアの児童生徒や保護者と教員で、本校の近くにあるオリンピック・パラリンピックの自転車競技会場であるベロドロームへの沿道に鉢を並べました。アサガオの一鉢一鉢には、昨年度まで在籍していた児童生徒も含め、全校で書いたメッセージを添えました。

当日は、東京オリンピック・パラリンピックの担当大臣だった橋本聖子さんが来校し、子供たちが立派に育てたアサガオをご覧になり感謝のことばをいただきました。また、NHKのほか読売新聞などの報道関係からも取材を受け、この取り組みを日本国内に紹介していただきました。

アサガオは間もなく種の収穫を迎えます。穫れたたくさんの種をどうするか、子供たちとアイディアを出し合っています。東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとして、様々な形で継承していけたらと考えています。

 

パリ日本人学校 校長 伊藤 博