The Japanese School of Amsterdam 所在地:オランダ URL:https://www.jsa.nl 児童生徒数:小=125人 中=40人
自由と寛容の国オランダ
オランダは国土の4分の1が海面下にあり、オランダの先人たちは自らの工夫や努力によって国土を広げてきました。オランダの代名詞ともなっている風車は、水をかき上げる役割を担っています。また、国土のあらゆるところに運河が流れています。オランダの街並み一つ一つが、先人たちの努力の結晶であるといえます。
オランダには多様な人種が共生し、街を歩けば、行き交う人同士、互いに目を合わせ、笑顔であいさつをすることが自然です。オランダの地に足を踏み入れたときから、誰もがこの国に受け入れられているという感覚になるほどです。
第二次世界大戦中には、迫害されるユダヤ人を積極的に受け入れてきた歴史的事実や現代における多文化主義政策の成果のひとつであると実感させられます。あらゆる人との交流を大切にするオランダ人ならではのこの精神は、世界的に見ても、ひと際輝いています。これこそが自由と寛容の国といわれる所以なのです。
当地の教育事情
最近、オランダの教育は世界一と言われることもあります。オランダでは子どもたちの能力や資質、希望に合わせて学習内容を選択できます。自分がやることを自分で選ぶことで、自律の感覚を身に付けることができるのです。オランダの教育は、子どもたちの幸福度を重視し、個性を尊重するアプローチを取っているのです。
義務教育年齢は5歳から18歳までで、その期間中は国の補助により公立も私立も無償となっています。個々の子どもの発達段階・能力に応じて進級・落第が決まります。12歳になると全国統一テストを受け、その結果などによって進路が6年制の大学進学中等教育と5年制の上級一般中等教育、3年制または4年制の職業訓練中等教育へと分かれます。これは、各人の能力・適性に応じた進路選択につながるものとなっているのです。
近年、特にイエナプラン教育が日本だけでなく、世界でも注目を浴びており、オランダ国内においても、約220校の学校でこの教育制度を取り入れています。
国際社会で活躍する子どもの育成のために
本校は保護者の強い熱意と当地の日本商工会議所をはじめとする関係者の支援と尽力により、1979年にオランダ日本人学校として設立されました。そして、今年45周年の節目となる年を迎えました。その歴史を紐解いてみると、開校初年度は小学部のみであり、翌年に中学部が開設。当時は校長、教頭ともに学級担任をしている状況もありました。その後、1984年に現在の校舎に移り、1992年のロッテルダム日本人学校の開設とともに、校名をアムステルダム日本人学校と変更して今日に至っています。現在では小学部7学級、中学部3学級で165人の児童生徒が学んでいます。
本校では学校経営の基本方針に「一人一人の可能性を伸ばし、明るい未来を創り出す国際人としての基盤を培って、人や社会に役立とうとする児童生徒を育成する」を掲げ、日々の学習指導や特色ある教育活動を行っています。特色ある教育活動では「在外教育施設の強みを生かした授業づくりの実践」と、活動内容を精選した、グローバル人材を育成する体験活動の取り組みを展開・充実させています。
①ネイティブスピーカーの講師による英会話・オランダ語の授業
小・中学部全学年で英会話の授業を行っています。また、小学部全学年でオランダ語の授業を週2×30分で実施しています。
②現地校交流学習
小学部3年生から5年生、中学部は現地校との交流学習で、それぞれ1日ずつ互いを訪問し合っています。先述のオランダ語の学習や英語力を生かしてペアの児童とコミュニケーションを取りながら活動に励みます。また6年生は互いにホームステイをして、文化の違いを体験するとともに相互理解に努めています。この交流は1990年から30年以上続いていて、本校のよき伝統となっています。
③日本とオランダの文化を大切にした体験
校外学習・社会科見学・宿泊活動の行き先を精選し、現地の文化や歴史、伝統を深く知ることができる指導計画を練って実施しています。また日本文化を味わう学校行事も適宜編成しています。在オランダ日本人合同運動会では、本校児童生徒だけでなく、ロッテルダム日本人学校を始め、補習校4校やオランダの現地校に通う児童生徒が一同に集い、交流を深める運動会を開催しています。これは全世界において唯一の運動会であると言えるでしょう。
このような取り組みを行いながら、世界の活躍するグローバル人材の育成を目標とし、全教職員の英知を結集して日々の教育活動の充実に努めています。
(2024年4月現在)
こどもたちから