作文
タイトル 雨
サン・ホセ日本人学校(コスタリカ)
小5 下川 千尋
「つめて。」
と先生が言った。ふと見るとしゅうりしたはずなのに天井から雨漏りがしていた。漏れた雨がちょうど先生の頭に当たったのだ。
コスタ・リカは、5月になると、雨季が始まる。今日は、昼間にひさしぶりに雨が降ったので、今年もいよいよだな、と思った。
前の先生たちが作った本を見るとコスタ・リカの雨のことが書いてある。本には、「雨季は、5月から11月まで」「雨季といっても午前中は晴れて、午後には、2、3時間雨が降り続く」「カリブ海側では東京の2倍の雨が降る」と書いてあった。今日は、5月なので、今から宿泊学習のある11月まで雨季が続くことになる。
私の友達や先生は、乾季が好きだという。晴れの日には、たくさん遊べるし、暖かいからだ。でも、私は、雨季の方が好きだ。雨季には、乾季にないすてきなものがたくさんある。
たとえば、雨季には、土のしめったようなとてもいいにおいがする。花のにおいと、土のにおいと草や葉っぱなどのにおいを合わせたようなにおいだ。私はそのにおいが大好きなカレーよりも、こうすいのにおいよりも、ずっとずっと好きだ。自然のにおいはとてもすてきなにおいだからだ。
大雨になると私のお母さんは、
「ねーねー、外に行って遊ぼうよ。」
と言って、誰が1番きたなくなるのかしょうぶする。もちろんどろでだんごを作って、なげあいをする。コスタ・リカの大雨は、たきのように降るし、空から大きなガラスのコップが落ちてきたようなかみなりの音がするので、お母さんの口の動きは分かるけど、言っていることが聞こえない。パントマイムのようにしなければならないので、それがまた楽しい。
おととい家に帰ると中、急に雨が降りはじめた。家に帰ってから部屋で雨の音を聞いていた。
「ポト、ポト。」
「トコトコトコトコトコ。」
「バーバーバー。」
雨の音がだんだん強くなった。ポップコーンのはじける音になったり、たきの流れる音になったりした。雨がはりのようになって、つきさすような気にもなるので楽しい。
11月になるとよくにじが出るようになる。コスタ・リカでは、11月ごろに雨が1番よく降る。東の方の空に、色のこい橋のようなにじがかかる。にじは毎日出て、2週間ぐらい続くことがある。乾季には、にじが出ないので、雨季になると、ブーゲンビリアの向こう側ににじが出るのを楽しみにしている。
雨が降ると洗濯物がかわかなかったり、道がこんだり、交通事故がふえたりするので、人にはいやがられるけど植物にとっては、雨はとても大切だ。日本人学校の校庭には果物があって、私はよく採って食べる。乾季と雨季とでは、あじがずいぶんちがう。とくに水リンゴは、雨季になると、瑞々しくなっておいしい。のどがかわく時は、友達と一緒に食べにいく。
今から7か月続く雨季が楽しみだ。