気圧変化が体調不良の原因に!?今日からできる「気象病」の予防&対処法
2024年6月24日
特集

気圧変化が体調不良の原因に!? 今日からできる「気象病」の予防&対処法

「低気圧になると頭痛やめまいがする」「季節の変わり目にだるさを感じる」といった経験はありませんか? 昨今、気圧の変化により体調を崩してしまう“気象病”が話題になっています。今回話を聞いたのは、気圧変化を予報し健康管理にも活用できるスマホアプリ「頭痛ーる」の事業責任者である岩見統之さんです。気圧による不調は、一体なぜ起こるのか。その要因や、日常生活でできる予防&対処法について教えていただきました。

(取材・執筆:ミニマル市川茜)

 

気圧変化で感じる頭痛や気分の落ち込み。その原因は気象病かも…!? 

気象病とは、気圧や気温、湿度など天気の変化によって起こる不調のこと。不調の種類は個人によって異なり、頭痛や関節痛、だるさやめまいなどさまざまです。なかには気分が落ち込んでしまうなど、メンタル面での不調を訴える人もいます。  

 

そんな気象病を予測する、体調管理に役立つアプリがあります。株式会社ベルシステム24が展開している気圧予報に基づく体調管理アプリ『頭痛ーる(ずつーる)』です。  

 

「『頭痛ーる』をリリースしたのは2013年のことです。気象病にいち早く着目し開発に至ったきっかけは、自身の頭痛と天気に関連があるのではないか?という女性社員の声だったと聞いています」  

 

そう語るのは、現在『頭痛ーる』の事業責任者を務める岩見統之さんです。  

 

「気象病は、あくまで天気の変化によって起こる不調の総称です。そのため、この症状が見られたら気象病ですと断定することは難しいと言わざるをえません。一方で、原因不明の不調に悩まされていた方から『頭痛ーるを活用し始めたことで、どんなときに不調が現れるかわかりました』という声も数多く届いています」  

 

同社では、脳神経外科医などの医師との共同研究チームで『頭痛ーる』に記録された頭痛記録データをAIによって解析。ユーザー4,375名の頭痛記録データを解析した結果、低気圧や高湿度、降雨、6時間前と比較しての大きな気圧低下などが頭痛発生と関与していることが判明しました。  

 

リリース当初はエビデンスも少なく「気象病」の存在自体が認知されずにいましたが、昨今はメディアでも取り上げられるなど、認知が広まりつつあるといいます。

気圧変化が体調不良の原因に!?今日からできる「気象病」の予防&対処法

自律神経の乱れに要注意!気圧変化による体調不良のメカニズムとは?  

頭痛や気象病のメカニズムはまだ解明の途上にあり、詳細はわかっていないのが実態です。そのなかでも気象病による体調不良の主な原因と考えられているのが「自律神経の乱れ」です。頭痛ーる編集部のWeb記事や書籍の監修をしている医師の見解によれば、普段から自律神経が乱れがちな人ほど、気圧変動による不調を感じやすいようです。  

 

自律神経と気象病の関係について、岩見さんは次のように語ります。  

 

「人間は、交感神経と副交感神経のバランスをうまく取りながら生活しています。交感神経は活動時やストレスを感じたときに働くのに対し、副交感神経はリラックスしているときや睡眠時に働きます。  

 

これらのバランスを司るのが自律神経です。睡眠リズムの乱れや冷暖房による急激な温度変化、過度なストレスは、自律神経の乱れにつながります。こうした状態に気象変化が重なると、身体がついていかずに不調が現れると言われています」  

 

身体において気圧変化をダイレクトに受けるのが、耳の一番奥にある「内耳」です。内耳は音を感じ取る器官であるとともに、平衡感覚を保つ機能や気圧変化を感知するセンサーの機能も持ち合わせています。この内耳のセンサーが敏感になり気圧変化が過剰に伝わることで、めまいや頭痛を感じる人も少なくないようです。  

 

東洋医学の観点では、これらの不調の原因として、身体を巡る“水”に着目しています。  

 

「東洋医学の観点では、体調を悪くする余分な水分を“邪湿”と呼び、頭が重い、身体がだるいといった症状の原因になっていると考えられています。気圧の低下が長時間続き、天気が崩れた日が多くなる梅雨時期にこうした不調が気になる方は、漢方薬などを活用して体内の余分な水分を排出し、むくみ解消を心がけるのもよいかもしれません」   

 

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