日本の首都圏では、中学受験をするのはめずらしくなく、中には多くの学校が受験日にあててくる日には、クラスの半数ほどが欠席する、という小学校もあると聞きます。
海外で、一般枠での中学受験を視野に入れているご家族はもちろんのこと、海外で長く暮らし、「受験」にピンとこないというご家族からも「日本のいまどきの受験事情を知りたい」という声が届いています。
そこで、今回は一般的な中学受験に関する情報について、教育機関の発展のために尽力している株式会社大学通信の石丸公子氏からご投稿いただきました。いま、日本の子どもたちに求められている「学力」が見えてくるかもしれません。
首都圏の中学受験について
(執筆:大学通信 情報編集部 石丸公子)
日本では、高校までに最低1回は入試を受けることになります。受験する時期を大きく分けると、小学校入学前、中学校入学前、高校入学前の3パターンあります。どの時期にするかは、家庭の教育方針によるところが大きいと思います。
最近、特に増えているのが中学入試の受験生です。表1は、過去10年間の首都圏中学入試の受験生数と受験率を表しています。首都圏の小6の児童数は減少傾向ですが、私立・国立中学の受験生数は右肩上がりで増加していることが分かります。23年の受験生数(推定)は約5万2600人で、中学受験率は17・86%。受験生数・受験率ともに過去最高だった22年入試の数字を更新しました(すべて首都圏中学模試センター調べ)。