JFE21世紀財団賞

「おかえり」が聞こえるおじいちゃんのお家

トロント補習授業校(カナダ)
小4 岸田 帆生
 

おじいちゃんの家に帰るとなぜかほっとする
昔からあるおじいちゃんの家
おじいちゃんが子供だった時からずっとそこに住んでるんだって
私のお父さんもその家で子供時代を過ごした
色んな人が住んでいた
色んな思い出がそこにはある

 

二階建てのおじいちゃんの家には
古いテレビ、こたつ、木でできた古い台所、やぶれたふすま
古い柱時計 除夜のかねみたいな音で時間を教えてくれる
かべにはどこもかしこもカレンダー
わざわざ動かなくてもすぐに予定を確認できる
応接間には大きなピアノ
私はこのピアノが大好き
ひくと戸を閉めていてもひびいてくる
私はおじいちゃんにもピアノのひき方を教えてあげた
昔ながらの日本人形、そのとなりにはおばあちゃんの仏だん
庭にはおじいちゃんの小さな畑があり、そこには大きなレモンの木
私のお父さんとお母さんがまだ結婚する前に母の日におばあちゃんにプレゼントしたものらしい
天井うらにはねこが住んでいて、そのねこが突然天井から落ちてきて大さわぎ
家のどこかに天井のパネルが開くところがあって、屋根うらを探検できる場所があるらしい

 

色んな昔話がたくさんある
面白おかしいエピソードを聞くたびに、とてもわくわくする

 

変わらないもの
昔からずっとそこにあるもの
そんなたあいもない日常が私の心をほっとさせてくれる

 

仏だんのそばには、ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんの写真
どんな人たちだったのだろうか
きっとその人たちだけの物語がこのお家にはたくさんあったのだろう
そしてそのとなりには私の大好きなおばあちゃんの写真
いつでも「おかえり」と言ってくれる
なつかしいおばあちゃんのにおい

 

「ただいま」

 

そこには私の知っている変わらないおばあちゃんの笑顔があった