第47回海外子女文芸作品コンクール 審査結果発表(詩その2)
海外子女教育振興財団主催の第47回海外子女文芸作品コンクールの審査結果が発表されました。このたび、特別賞受賞作品をご紹介します。
このコンクールは、海外に在住する小・中学生が言語・風習・気候風土・治安など、日本と異なる生活環境の中で感じ、考え、感動したことを日本語で表現する力を育むために、1979年から毎年行われています。
今年の応募作品総数は31,196点(作文=2,057点、詩=2,538点、短歌=6,555点、俳句=20,046点)。日本人学校、補習授業校、私立在外教育施設等の先生方のご指導やご家庭でのサポートをいただき、多くの作品が集まりました。
これらの作品は予備審査を経て9月18日、海外子女教育振興財団(東京都港区)で行われた最終審査会において、文部科学大臣賞をはじめ、海外子女教育振興財団会長賞、後援・協賛者賞、特選、優秀、佳作が決定しました(特選・優秀・佳作・学校賞の審査結果は弊財団の文芸作品コンクールのサイトに掲載しています https://www.joes.or.jp/kojin/bungei)。
海外に暮らすお子さんたちの思いが息づく作品の数々を、どうぞご覧ください。
なお、今年の12月には、作品集『地球に学ぶ 第47回』が刊行される予定です。
JFE21世紀財団賞
「おかえり」が聞こえるおじいちゃんのお家
トロント補習授業校(カナダ)
小4 岸田 帆生
おじいちゃんの家に帰るとなぜかほっとする
昔からあるおじいちゃんの家
おじいちゃんが子供だった時からずっとそこに住んでるんだって
私のお父さんもその家で子供時代を過ごした
色んな人が住んでいた
色んな思い出がそこにはある
二階建てのおじいちゃんの家には
古いテレビ、こたつ、木でできた古い台所、やぶれたふすま
古い柱時計 除夜のかねみたいな音で時間を教えてくれる
かべにはどこもかしこもカレンダー
わざわざ動かなくてもすぐに予定を確認できる
応接間には大きなピアノ
私はこのピアノが大好き
ひくと戸を閉めていてもひびいてくる
私はおじいちゃんにもピアノのひき方を教えてあげた
昔ながらの日本人形、そのとなりにはおばあちゃんの仏だん
庭にはおじいちゃんの小さな畑があり、そこには大きなレモンの木
私のお父さんとお母さんがまだ結婚する前に母の日におばあちゃんにプレゼントしたものらしい
天井うらにはねこが住んでいて、そのねこが突然天井から落ちてきて大さわぎ
家のどこかに天井のパネルが開くところがあって、屋根うらを探検できる場所があるらしい
色んな昔話がたくさんある
面白おかしいエピソードを聞くたびに、とてもわくわくする
変わらないもの
昔からずっとそこにあるもの
そんなたあいもない日常が私の心をほっとさせてくれる
仏だんのそばには、ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんの写真
どんな人たちだったのだろうか
きっとその人たちだけの物語がこのお家にはたくさんあったのだろう
そしてそのとなりには私の大好きなおばあちゃんの写真
いつでも「おかえり」と言ってくれる
なつかしいおばあちゃんのにおい
「ただいま」
そこには私の知っている変わらないおばあちゃんの笑顔があった
東京海上日動火災保険賞
私の言葉は旅をする
シンガポール補習授業校(シンガポール)
小4 柴田 すみれカルヴァーリオ
シンガポールの熱い風が
まどからふきぬける
きょうかしょをひらくと
そこには
日本という
遠い国の景色が広がっている
「おはよう」と言ってみる
その言葉は 日本から 飛行機にのって
ここシンガポールまで やってきた
まわりでは いろいろな国の言葉が
カラフルな風みたいにまざりあっている
私は その中で 漢字を一つずつ
ノートに 書きこんでいく
「木」と「林」と「森」
えんぴつをトントン動かすと
日本にいる大きな木々が 目にうかぶ
ここは いろいろな言葉が あつまる町
日本語を勉強していると
何だか 世界中と
つながっている 気がする
いつか 日本へ行って 今日覚えた
この言葉で「こんにちは」って
大きな声で言ってみたい
私のノートは 小さな宝箱
明日も
新しい言葉を見つけにいこう
太陽の下で
私の言葉は
もっと遠くへ飛んでいく
日販アイ・ピー・エス賞
いんとリズム
フィレンツェ補習授業校(イタリア)
小4 米崎 アレッサンドロ
ともだち うんち くち おもち
はこ うんこ にっこ(ぼくの弟) ねこ
あし うし わし くらずし
こい あつい いっぱい
くさい はくさい めんどくさい
あんぱんまん ごはん ぱん
れもん うどん ぶん