2026年4月20日
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ペルーと日本の学校架け橋プロジェクト ペルーからの留学生第1号誕生!

ペルーと日本の学校架け橋プロジェクト「Co-Creation Off-shore school Project-光輝(Kouki-

ペルーからの留学生第1号誕生!

 

 

ペルーと日本の両国間における新しい人的ネットワークを構築し、日本の次世代の人財育成と日本ファンづくりのプラットフォームを目指すCoCreation Off-shore school Project-光輝(Kouki-プロジェクトは、在外教育施設と現地日系人学校の交流や国内校が参画しての留学を、資金面含めて支援する。

1年前にスタートし、いよいよこの4月、(一財)地域・教育魅力化プラットフォームの「地域みらい留学」(日本各地にある魅力的な公立高校の中から、都道府県の枠を超えて、自分の興味関心にあった学校を選んで3年間をその地域で過ごす進学プログラム)の制度を利用しての「日本への留学生」が誕生する。

ペルー・リマの日系人学校に通っていた鈴木恵麻さん、16歳。母が日本人で父がペルー人、3歳離れた弟がひとりいる。9歳まで日本で生まれ育ち、神奈川県の公立小学校に通った後、家族でペルーに渡った。

今年、北海道大空町にある北海道大空高等学校を受検し、晴れて合格。春から高校1年生になる。

なお、本プロジェクトでの支援の決め手になったのは、「日本語が大好きで、一生懸命に勉強していること」「日本とペルーの架け橋になりたいという将来の目標が明快であること」「家族が応援していること」だという。

入学式を目前にした330日、恵麻さんが本プロジェクトを主催する海外子女教育振興財団(JOES)を訪れた。恵麻さんに、日本の高校に留学する理由や今後の夢などについて話を聞いた。

 

<留学への思い>

母が日本人で、幼少期を日本で過ごした経験もあり、日本は恵麻さんにとって“知らない国”ではなく、自分のルーツや原点を感じられる大切な場所だった。その一方で、海外から日本の高校に進学することが簡単ではないことも十分に理解していた。

言語の壁だけでなく、環境の変化や家族から離れて一人で生活するには、お金も覚悟も必要だ。それでも、恵麻さんは挑戦する道を選んだ。

「日本各地から生徒が集まり、地域との関わりも大切にする学校の教育方針を知って、ここでなら挑戦できるし、成長できると感じられたことが決め手になりました。地域の人たちとの交流も盛んで、空港から学校に行くまでに乗ったタクシーでは、運転手さんが雪対策などを教えてくれて、温かい人たちのいるいい町だなあと思いました」

 

<日本語を学び続ける理由>

日本語を学ぶ理由は、単に言葉として話せるようになるためだけではない。恵麻さんにとって日本語は、日本の歴史や文化、日本人としてのアイデンティティを理解するための大切な鍵だ。
日本語の学習は決して簡単ではなく、特に漢字の読み書きには今でも苦労しているという。しかし、漢字一つひとつに意味があり、言葉の背景に文化や精神性が込められている点に魅力を感じ、学び続けてきた。

「私の家にはルールがあるんです。父と話すときはスペイン語、母と話すときは日本語。父はある程度は日本語が話せるんですけど、日本にいた頃から、父とはスペイン語で話していました。母は日本で生まれ育って、高校生の時にアメリカに1年くらい留学したことがあります。家族で話す際、慣れてしまうと、両言語が混ざって単語が出てこなくなってしまうことがあるので、両親と話し合って決めたルールです。学校でも日本語を話す機会は結構ありました。周りに、日本語もスペイン語も話せる真面目な人が多かったので、語学へのモチベーションを保つことができましたね。日本の文化を学ぶ時間や運動会などの行事もあって、日本に興味が湧きました」

 

<日本の魅力>

恵麻さんが感じる日本の最大の魅力は、治安の良さと安心して一人で行動できる環境だ。そして、日本食も大きな魅力の一つ。

「電車に乗ってひとりで安全に簡単に移動できたり、物を落としても戻ってくることが多かったりするのは日本ならではのことだと感じています。これは、簡単に手に入るものではありません。また、日本の食事は大好きです。北海道は美味しいものがたくさんあるので、これからの3年間が楽しみです」

 

<チャレンジしたいこと>

恵麻さんは新しい出会いを楽しみにしている。そして、その経験を「次」に繋げていきたいと思っている。

「日本での高校生活では、まずは学校の授業や寮生活に慣れることから始めて、次第に人とのつながりを広げていきたいです。全国各地から集まる人たちとの出会いや、地域の人々との交流、日本各地を実際に訪れて歴史や文化を肌で感じることも、大きな楽しみの一つです。ゆくゆくは、自分が日本で経験したことを後輩たちに伝え、『日本について知りたい』『次は自分も挑戦してみよう』と思ってもらえる存在になりたいし、そういう場を作ることも必要だと感じています」

 

<将来の夢>

将来の夢は、パイロット。さまざまな国の人々を乗せて空を飛び、世界中をつなぐ仕事だ。学んできた語学や文化を生かして、いろんな国から来た人と話せるし、日本とペルーの架け橋にもなれる。

「日本からペルーに移住する際に乗った飛行機が悪天候の影響で、結構、揺れたのですが、機長から『私たちを信じて、落ち着いて待っていてください』というアナウンスが流れたんです。感激して、憧れました。父も母も、私の夢を尊重し、応援してくれています」

 

<後輩たちへ>

日本への留学を考えている後輩たちに対して、彼女は「簡単なことではない」と率直な言葉を送る一方で、留学に挑戦する「一歩」が自分を大きく成長させてくれるはずだとも語る。

「勉強だけでなく、費用の問題、家族の理解、慣れ親しんだ場所を離れる勇気など、多くの壁があるけれど『覚悟を持って、自分を信じて挑戦してみよう』と伝えたいです」

 

帰り際、高校で入りたい部活について聞いてみると、「弓道部」と即答。理由はペルーにはないものだから「やってみたい」と、目を輝かせる。

日本での新たな「一歩」を踏み出し、大空に羽ばたこうとしている恵麻さん、そのフライトは前途洋々だ。