「グローバルシティズンシップ」を育む海外研修など
帰国生を受け入れに積極的な小さくアットホームな高等学校
派手さはなくても確実に社会を支える人物に
鳥取敬愛高等学校は、鳥取県鳥取市にある共学の私立学校。私立鳥取裁縫女学校として明治38(1905)年に創立された長い歴史を持ちます。創立者の古田貞先生は、明治から大正時代にかけて鳥取県内の女子教育に尽力した人物。もともと女子校だったが、2000年代から共学化が進み、現在はすべてのコースで男女が一緒に学んでいる。
「創立者の古田貞先生が目指した『女性の自立』という精神を受け継ぎ、生徒たちには自立した生活者になってほしいと考え、教育を行っています。自立した生活者とは、派手さはなくてもしっかり働いて、家族や仲間を支えられるような人物のこと。もともとは保育士を目指す生活教養科なども設置していましたが、現在は普通科 特別進学コース、普通科 進学キャリアコースの2コースで、生徒たちが幅広い夢を選択できるような教育をしています」
そう語るのは、理事の西井肇先生。これまで帰国生の受け入れも積極的に行ってきたという。 西井先生のコメントにもあるように、鳥取敬愛高等学校の普通科には、特別進学コースと進学キャリアコースがある。カリキュラムの違いは以下の通り。
特別進学コース
○難関国立・私立大学への現役合格をめざす
○校外模試・進路行事を優先し,部活動を制限
○少人数制によるきめ細かなサポート
○発展的な内容に挑戦できる力の育成
進学キャリアコース
○大学・短大・公立専門学校の現役合格をめざす
○多様な入試(推薦入試・AO入試など)に対応したカリキュラム
○専門学校・各種学校への進学、公務員など就職の選択も可能
○実践的なパソコンスキルやコミュニケーション能力の育成
基本的に、難関大学を目指す生徒は「特別進学コース」を選び、就職や専門学校進学も含めた幅広い未来像を描く生徒は「進学キャリアコース」を選んでいる。最近の傾向としては、帰国生は「特別進学コース」を選び、英語力や海外経験を活かして年内の推薦入試で合格を勝ち取るパターンが多いという。
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生徒が現地の行程を自由に決める「海外研修」
特色ある教育プログラムとしては、2年生全員が参加する1週間の海外研修。過去には、シンガポール、タイ、韓国、台湾などで実施してきた。これは同校が「グローバルシティズンシップ」と呼ぶ。海外へ一歩踏み出す勇気を養成することを目的としている。
「生徒一人ひとりが国際感覚を持ち、将来、外国籍の人々と一緒に働くことを躊躇しないような社会人になってほしいと考えて、海外研修を設計しています。1週間の行程では、あえて現地企業見学や現地学校との交流などのプログラムを企画せず、全日程において生徒たちが移動も含めて、自由にグループの予定を立てられるようにしています。そこで自分の力で海外の街を探索する楽しみを味わってほしいと思っています」
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そんな鳥取敬愛高等学校の校風は、ひと言でいえば「アットホーム」。1学年140~160名という規模で、どの先生もすべての生徒のことを知っている家族のような環境で教育を行っている。部活動も盛んで、卓球部、バドミントン部、スポーツシューティング部は、鳥取県のスポーツ強化部に指定されているという。
通年で受け入れ可能な「帰国生入試」がある
鳥取敬愛高等学校では、通年で受け入れ可能な「帰国生入試」を実施している。出願は随時受け付けており、試験内容は各コースで異なる。「特別進学コース」では、国語・数学・英語の筆記試験と面接、「進学キャリアコース」では、日本語の作文と面接が課される。出願と面接試験はオンラインでも対応可能だという。
※帰国生入試の詳細は、学校まで直接お問い合わせください。
これまで同校では、多くの帰国生を受け入れてきた実績があり、最近は外国籍の生徒も受け入れている。英語科の外国人教員もおり、鳥取県内では、かなりグローバルな環境が整っている方だといえるだろう。
気になる卒業後の進路は、難関国公立を含む大学進学が9割。進学キャリアコースの1割程度の生徒が就職を選んでいる。前述の通り、帰国生は「特別進学コース」に進学し、グローバル系大学の帰国生入試や総合型選抜などの推薦入試を目指すパターンが多いという。
「本校としては、帰国生をどんどん受け入れたいと思っています。海外で得た経験は、日本で学んできた在校生にもいい影響を与えます。もちろん帰国生の語学力に周囲の仲間も刺激を受け、全体の英語力の底上げも期待できるでしょう。本校はとにかく「めんどうみのよさ」が強みです。生徒一人ひとりの進路に寄り添って、サポートしていきます」