Japanese Saturday Study Group in Ankara 所在地:トルコ e-mail:ankara.hoshujyugyoko@gmail.com 児童生徒数:小=18人 中=5人
歴史と政治の街アンカラ
アンカラはトルコ共和国の中部高原地帯に位置しており、1923年の建国以来の首都です。街の歴史は古代ヒッタイト王国時代にさかのぼり、ローマ帝国時代の遺跡が今も残っています。中心部の丘の上には7世紀以降に建築されたアンカラ城がそびえます。広く国民の尊敬を受けている共和国建国の父・アタテュルクの墓所である廟は、いつも訪問者でにぎわっています。
また、政治の中心であるほかに大学も多く設置されていて、政治と大学の街とも言われています。 人口は現在約500万人ですが、国内の他地域からの転入、近郊を中心に新しいマンション群、ショッピングセンターなどの建設が続いています。
手作りの運営
本校はアンカラ日本人会により設置され、保護者の協力のもと同会により運営されています。かつては日本人学校がありましたが2004年に閉校してしまい、その後、在留邦人の子どもたちが日本語で学べる場を作りたいとの想いから、進出日系企業の尽力もあり2015年9月に本補習校が設立されました。2020年からコロナ禍のため休校を余儀なくされましたが、2022年5月に再開。休校中に運営経験を持つ駐在員や講師の多くが離任したため、過去の資料を手掛かりに、新たに試行錯誤を重ねながら、現在に至っています。
在籍者数は小学生と中学生の計23人(2024年3月時点)で、毎週土曜の午前中に学年ごとに前半と後半に分かれ、国語と算数・数学を学んでいます。講師は保護者や日本人留学生を含むアンカラ在住の邦人が務めています。
カリキュラムは、基本的に日本の教科書に沿って、講師の工夫によりグループ演習をできるだけ取り入れながら講義を進めています。しかし各学年の人数が1~4人と少なく、また特に小学校高学年以上になると、海外在住期間の長さや帰国予定の有無などにより、個々人の必要とする学習内容が異なってくるため、個別指導を行うなど柔軟な対応も行っています。人手が足りない場合は、保護者や日本語を学ぶトルコ人学生のサポートも受けています。
補習校の会場には、日本・トルコの友好団体である土日基金文化センターの所有する建物の一部を借用しています。同センターには教室のほかに日本語書籍の図書館や文化イベントを行う大小ホールも備わっており、常に日本の情報や文化に触れ、トルコ人との交流もある恵まれた環境です。
再開後の新たな取り組みとして、保護者の要望に基づき毎年度1~2回漢字検定を実施することとしました。邦人の子ども達はインターナショナルスクールやトルコの現地校に通っているため、日本語、特に漢字の習得に苦労する場合も多く、検定の実施によって漢字学習の励みになる、と好評を博しています。
不定期ではありますが、日本やトルコの文化に触れられるような行事も開催しています。昨年は節分の豆まきを楽しんだほか、土日基金文化センターとも連携し、5月の子どもの日のイベントではトルコの子ども達と共に両国の歌を合唱しました。12月にはかるたや百人一首の会を開催。初めて百人一首に触れたという子どもも何人かいましたが、日本の学校で実施した経験がある子ども達や保護者に助けられ、「古文は難しいが楽しかった」「またやりたい」との感想が聞かれました。また、日本・トルコ両国が地震国であることもあり、土日基金文化センターで行われる防災イベントに参加することもあります。
子どもたちは、週に一回、短時間ではあっても思い切り日本語で学び、表現できること、また、普段は他の学校に通っている友達と会うことができるのを、大きな楽しみとしています。空き時間に同級生と日本の勉強を教えあったり、学年を超えて日本の遊びを楽しんだりする姿は、遠く日本を離れ海外で働き生活する大人たちから見ても、嬉しく、ほほえましく、また頼もしいものであります。
(2024年3月現在)
こどもたちから