The Japan School of Doha
所在地:カタール
児童生徒数:小=16人 中=6人
発展と調和の小国カタール
カタールはアラビア半島東岸に位置する人口約270万人、面積が秋田県ほどの小さな国です。
国土のほとんどが砂漠ですが、首都ドーハは中東の伝統と自然、そして近代的な施設や体験が調和した魅力的な街です。
多国籍の料理や食材が楽しめ、交通や通信、医療などのインフラも充実しており、治安も良好で暮らしやすいです。
真夏は屋内で過ごしますが、早朝や夜、冬は一日中、屋外でスポーツや自然を満喫できます。
現地の方は全体の約1割で、残りは外国人ですが、日本車や日本語、アニメに対する関心が高く、とても親日的です。
近年はサッカーW杯や国際園芸博覧会などの世界的なイベントが相次いで開催され、益々の賑わいと発展が期待されています。
ドーハ日本人学校の特色ある教育
カタールはイスラム教国であり、カタール教育省からの強い要請もあり、アラビック語、そしてカタールの歴史を学ぶ国際教室を教育課程の中に位置付けています。指導はアラビック講師によるオールイングリッシュにて行われます。また、年間活動の中に現地の博物館や水族館等の見学を組み込み、現地理解を深めています。自分たちの過ごすこのカタールを正しく理解することは大変重要であると捉え毎年工夫しながら活動を実施しています。
これと同じく大切にしていることは、日本の文化を改めて見直し、自分たちから発信することです。まずは、自分たちの日々の生活の中において、日本語を正しく使うことから始め、日々の挨拶、場に応じた言葉遣いには特に力を入れています。また、児童生徒全員で行う和太鼓演奏、ソーラン節の演技は、年間を通じて各自の力量を高め、学習発表会・運動会・日本人会行事等で披露しています。海外に過ごしているからこそ、日本の文化の素晴らしさを子どもたちが感じとっていることがうかがえます。
本年度は、国際園芸博覧会(EXPO花博)がドーハにて開催されています。このドーハという中東の土地でいかに植物を育てていくのか、ESDの学び(持続可能な開発のための教育)をどうやってこの地で展開していくのかと、子どもたちは深く考え、積極的に活動を行っています。自分たちで準備した種子を日本パビリオン内に植える、自分たちの活動をプレゼンテーションする、日本の横浜市立小学校とWeb交流を行いカタールの状況や活動の様子を伝える等々、現在も様々な取り組みをしています。2027年度に横浜にて開催される国際園芸博覧会(EXPO花博)に繋げていこうという意識が子どもたちの中にも生まれ、非常に嬉しく思っています。
さらにカタールは、昨年度のサッカーW杯をはじめとして、本年度も世界柔道、ジュニア世界卓球、ハンドボールオリンピック予選、世界水泳、F1グランプリ、そしてサッカーアジアカップと世界的なスポーツ大会が目白押しであり、本校にも様々な招待や依頼がまいります。したがって子どもたちもトップアスリートと接する機会も多く、そんな経験も大切にしたいと考えています。しかしながら、子どもたちの学習保障もしっかりとしなければなりません。そこで本年度10月より午前中5校時7時間授業を開始し、教科学習のほとんどが午前中に終了し、午後は活動中心となるよう日課表及びカリキュラムを変更しました。年度途中の日課変更でしたが、子どもたちはすぐに慣れ、集中力の高い午前中の学習に積極的に取り組んでいます。
次年度以降、さらに学校を開き、コロナ以降難しくなっている現地校との交流にも取り組んでいきます。イスラムの教えの元に学ぶ子どもたち、そして学校との交流は、やはり様々な障害が考えられます。しかしながら少しずつでもその壁を下げていき、互いにより深く理解し合えることを目指していきます。違いから見えてくる日本の素晴らしさの再発見は重要な感覚であり、今後も学校運営の大きな柱の一つとしていきます。自分たちが今幸せに過ごせているのは、多くの方々に見守られていることを実感し、これからも感謝の気持ちを常にもてる子どもたちであってほしいと願っています。
(2024年1月現在)
こどもたちから