プラハ日本人学校

Japonské škole v Praze
所在地：チェコ
URL：http://www.jpschool.cz/
児童生徒数：小＝62人　中＝17人

黄金のプラハ

プラハは、9世紀後半にプラハ城、10世紀頃にヴィシェフラド城が建てられ、両城に挟まれたこの地に街が発達しました。1346年にボヘミア王カレル1世が神聖ローマ帝国の皇帝に選ばれ、カレル4世（ドイツ語名:カール4世）となると、神聖ローマ帝国の首都はプラハに移されました。その後、都市開発が行われ、ヨーロッパ最大の都市にまで急速に発展。「黄金のプラハ」と形容されるようになりました。

16世紀後半、ルドルフ2世の治世になると、芸術や科学を愛する王の下、ヨーロッパ文化の中心都市として栄華を極めましたが、2世紀以上にわたって「暗黒の時代」といわれるチェコ民族文化の空白時代を迎えることとなります。時を経て1989年の「ビロード革命」により急速に民主化が進み、現在は経済も順調に推移しています。ここ数年はコロナの影響もあり日系企業への派遣も減少し、生徒数は80名前後となっていますが、児童生徒は、毎日楽しく学校に通っています。

本校の教育活動

国際理解教育

プラハで生活し、プラハ日本人学校に通う強みを生かした教育活動に重点を置いています。

チェコは長年にわたってドイツやオーストリアなど隣国の支配を受け続けてきた歴史があります。特に16～19世紀ドイツの支配下にあった時代は、ゲルマン化によってドイツの文化を押し付けられ、公共の場でチェコ語を話すことさえ禁じられていました。しかし、マリオネット劇だけは、チェコ語独特の言い回しでこそ成り立つものでもあったため、チェコ語での上映が認められていました。そんな歴史のあるマリオネット劇を上級生が下級生に演じて見せることによりお互いがチェコの文化に触れる機会となっています。

第2次世界大戦中の6月、リディツェ村に500人いた16歳以上の村民が銃殺され、強制収容所に連れていかれた82名の子どもたちも命を奪われました。この悲劇を絶対忘れてはいけないということで、毎年リディツェ村で平和記念式典が行われます。プラハ日本人学校の児童生徒も毎年招待していただきメッセージを送っています。

聖ミクラ—シュ（英・聖ニコラス）がサンタクロースのモデルとなった聖人であり、ミクラーシュの命日の前夜である12月5日に、一年間良い子にしていた子は、聖ミクラーシュからプレゼントをもらえるという伝統行事があることになぞって、児童生徒会がミクラ—シュ集会を主催して行っています。これはヨーロッパのいくつかの国で古くから行われている儀式です。

テレジンは、1941年から1945年までナチス・ドイツの強制収容所があった街です。テレジンに送られてきたユダヤ人は、およそ14万4000人。その4分の1近い、3万3000人が病気、飢え、過労、そしてドイツ兵による暴行や拷問、刑罰で亡くなり、8万8000人がアウシュヴィッツなどの収容所に送られガス室で殺害されました。中学部では、地の利を生かして平和学習の一環として訪問し学んでいます。

現地近隣校との交流

コロナ感染予防で数年間中止していた現地近隣校との交流も徐々に再開しています。小学部は、ヴェリヒ校の子どもたちを招いて自分たちが作ったおもちゃやゲームを簡単な英語で説明しながら一緒に交流しています。チェコの子どもたちもとてもいい笑顔で反応してくれます。また、相互乗り入れの形で、教員同士が授業を交換し合っています。子どもにとってはチェコでしか体験できない貴重な授業の一環として、また、教員にとっては資質指導力の向上に向けた貴重な時間となっています。

プラハ日本人学校ならではの取り組み

チェコで活躍している日本ゆかりの方々との交流も大切な学習の一環です。WBCでチェコチームの主将として活躍したぺテル・ジーマ選手やアイスホッケー三部リーグで活躍している桶川裕矢選手、バレーボールのチェコトップリーグで活躍している今村貴彦選手など、多くの方に講演していただきながら、生き方についても考える機会をいただいています。

また、チェコ日本友好協会主催で行われている新年コンサートでは、合唱を披露させていただき、子どもたちの達成感や成就感につながっています。

（2024年2月現在）