2023年12月25日
特集

親子で知っておきたい「日本のしきたり」

お正月の定番行事といえば「初詣」。年末年始に帰省した際に、家族で近所の神社を訪れることもあるでしょう。そこで気になるのが参拝の作法。神社は二拍手でよかったかな!?と心配になる人も多いのでは……。 

そこで今回は初詣から始まる年中行事の作法に加え、お宮参り、お食い初め、七五三など、家族行事のしきたりについてもイラスト付きで詳しく解説します。海外で「日本のしきたり」について聞かれたときもこれで安心です! 

(取材・執筆:丸茂健一(ミニマル) イラスト:後藤亮平(BLOCKBUSTER))

 

年中行事のしきたり

農耕を主な生業(なりわい)としてきた日本社会では、四季の移ろいをさまざまな行事で祝う慣習が現代にも受け継がれています。お正月の初詣から節分、七夕、お月見など年中行事の背景には、必ずしきたりと作法があります。

 

【初詣のしきたり】参拝は「二礼二拍手一礼」が基本

まずは新年はじめのイベントである「初詣」。もともとは家長が大晦日から新年にかけて土地の氏神を祀る神社に籠もり、一家の無病息災を祈願した「年籠り(としごもり)」が起源とされています。初詣は、除夜の鐘が鳴り終わり、新年になって初めて神社やお寺に参拝し、その年の幸せを祈願するもの。「松の内」と呼ばれる1月7日までに済ませるのが一般的です。

 

■節度ある服装で

初詣は節度ある服装で出かけるのが基本です。だらしない服装、カジュアル過ぎるスタイルは神様に失礼です。昔の人は下着などを新調して初詣に向かったといいます。清潔感のある服装で、清らかな気持ちでお参りしましょう。

 

■鳥居をくぐるときは一礼

神社の鳥居は、参拝者のケガレを祓う意味があります。参拝の際は、神社の一番外側にある「一の鳥居」から順に鳥居をくぐって、参道に入りましょう。鳥居をくぐる際は軽く一礼するのが作法です。

 

■参拝の作法

1 最初に軽く一礼
拝殿の正面に立ったらまずは軽く一礼しましょう。
2 鈴を鳴らす
一礼の後は、鈴を数回鳴らします。鈴の音には邪気を祓う意味があるので、しっかり鳴らしましょう。
3 賽銭を投げ入れる
お賽銭のタイミングはここ。賽銭箱から飛び出さないように静かに小銭を投げ入れます。 
※鈴と賽銭の順序については諸説あり
4 改めて二礼する
二度頭を深く下げてお辞儀をします。こうして神様への敬意を表します。
5 二拍手して祈り、最後に一礼
胸の高さで掌を合わせ、右手を少し下にずらして二拍手。その後、指先をきちんと合わせて祈りを込めてから手を下ろします。最後に一礼をして終了です。

 

■お賽銭マメ知識

現在は当たり前になっているお賽銭。しかし、お金をお賽銭箱に投げ入れるようになったのは比較的新しい時代になってからです。古くは海の幸や山の幸、そしてお米を白紙で巻いて包んだ「おひねり」を供えるのが一般的でした。なお、「五円には御縁がある」といわれますが、円という単位が生まれたのは明治時代。しきたりというよりも語呂合わせによる願掛けと考えましょう。

 

■おみくじの作法  

おみくじの目的は大吉を引くことではありません。言わば、「神様からの年初のメッセージ」のようなもの。大凶が出ても努力すれば願いは叶います。2回引いても構いませんが、大凶のメッセージは消えません。神様からのありがたい教訓と考えて前向きに受け止めましょう。凶が出た場合は、木に結ぶ習慣があります。「木に宿る神様と縁を結べるから」、「悪い運気を結んで留めるため」などの理由があるようです。ただ、おみくじは記されている教訓を活かすことが大切です。吉凶にかかわらず、財布などに入れて持ち歩いてもいいでしょう。

 

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