JAKARTA JAPANESE SCHOOL 所在地:インドネシア URL:https://www.jjs.or.id 児童生徒数:幼=139人 小=521人 中=168人
多様性を尊重する国
赤道をまたぎ東西5,110Kmに渡り18,000の島々で構成されるインドネシアは、約300種族(500以上の言語)が共存し、イスラム教、キリスト教、ヒンズー教など互いの宗教を互いに尊重し合いながら多民族国家を構成しています。そして、ジャカルタのような大都会とジャングルや海洋を有するこの国は、人種、文化、自然が豊かに融合し、国家設立のスローガンを「多様性のなかの統一」と掲げています。国土面積は日本の5倍、人口は世界第4位の27,000万人を越え、総人口の5割が30歳未満という若いエネルギーに満ちあふれ、未来に向け発展の可能性を大いに感じさせる国です。
インドネシアの教育制度
インドネシアの教育制度は日本と同じように6・3・3制を取っており、小学校の6年間、中学校の3年間が義務教育とされています。その後、高校が3年間、大学などの高等教育に続きます。ジャカルタ特別州では高校の義務教育化を進めていますが、道半ばの状況です。また、小学校、中学校、高校すべての段階で、卒業するための統一国家試験が実施されているところが日本と大きく異なる点です。
11年間を見通した子どもの育成
本校が開校した1969年当初は、企業の一室を借りての授業でしたが、3年後には自前の校舎に移ることができました。現校舎は、ジャカルタの市街地から車で30分のところに位置する3代目です。敷地8haの中に幼・小・中学部の校舎が建ち、天然芝の校庭・プール・体育館がそれぞれ2つずつ整備され、開放的で恵まれた環境が整えられています。
幼稚部・小学部・中学部をもつ本校では、発達の段階をふまえながら、11年間の子どもの育ちを繋がりのある継続的なものと捉え、教育活動を推進しています。幼小中の部をもつ学校は日本ではなかなか無く、在外教育施設であるからできる取組です。コロナ禍で教師同士・子ども同士・保護者同士の繋がりが薄くなった状況の中ではありましたが、昨年の12月に学校教育目標を実現させるため、どんな子どもを育むかという視点で、保護者・企業の方・教師が一同に集まり、ワークショップを行いました。保護者からは子育ての悩みについて、企業の方からは社会に出るときに備えておいて欲しい資質や能力についての話を伺うことができ、大変有意義な時間でした。ワークショップの結果を「11年間でめざす子ども像」として図に表し、これを教育活動の軸として、日々の授業や行事等を計画・実践するときに念頭に置きながら取り組んでいます。
その中の取組として、子どもたち同士の繋がりを強くするために、幼稚部から中学部までの縦割りグループを作り活動に取り組んでいます。
体育祭ではこのグループを活用し、小中合同での応援合戦や縦割り競技を行いました。JJSフェスティバル(文化祭)でも開閉会式を合同で行ったり、互いの発表を見合ったりしています。
部活働は5年生以上が一緒に行い、交流を深めています。縦割り活動を充実させることにより、リーダーシップ・フォロワーシップを培うことができ、絆が強くなっています。また、家庭科の保育体験では、縦割りグループを生かして、中学3年の生徒と幼稚部の園児が交流する授業を行っています。
さらに在外教育施設ならではのグローバル人材の育成を図っています。例えば、インドネシア語や英語の授業では全てネイティブスピーカーとのT.T.で授業を行うこと。中学2年のバリの修学旅行では、バリダンスやガムラン演奏、小学校6年のバンドン修学旅行では、太平洋戦争時に日本軍やオランダ軍の基地となった洞穴の見学、アンクルン演奏等のインドネシアでなければできない体験をすること。また、現地校との交流では、互いの学校を訪問し、それぞれの文化を紹介し合いながら、同年代の子ども同士の交流を深めることなど、インドネシアを肌で感じることのできる取組を実践しています。
灼熱の太陽の下、熱い心で何事にもベストを尽くし、仲間を大切にする太い絆で結ばれた子どもたちが、今日も学校中にあふれています。
(2023年10月現在)
こどもたちから