2024年3月11日
受け入れ校紹介

慶應義塾ニューヨーク学院【アメリカ】

日英2言語で学べるニューヨークの全寮制高校

バイリンガル&トライカルチャーの環境で学ぶ

マンハッタンから北へ車で約1時間、ニューヨーク州北部の緑豊かな郊外エリアに位置する慶應義塾ニューヨーク学院は、慶應義塾で唯一の在外教育施設として、1990年に開校した。9年生(中学3年生)から12年生(高校3年生)が在籍する男女共学の4年制高等学校で、米ニューヨーク州私立連盟から教育法人として認可されている。卒業後は、ニューヨーク州の高校卒業資格を取得でき、海外駐在員のファミリーから帰国時の受入校としても注目されている。

授業の様子

「慶應義塾ニューヨーク学院は、バイリンガル(日英2言語併用)・バイカルチャー(日英2文化併存)を標榜する学校として発足しました。その後、2020年代に入り、本学院は新たに日・米・慶應からなるトライカルチャー(3文化併存)の理念で教育を行っています。ニューヨークでアメリカ文化を体感しながら、日本語による教育も受け、福澤諭吉先生の『独立自尊』や『実学』の精神も学ぶ。これが本学院の大きな特色だと思います」

 

そう語るのは、慶應義塾ニューヨーク学院でアドミッション部門の主事である山本富夫先生だ。同学院は生徒の9割が暮らす寮を完備しているのが特色で、転勤が多い海外駐在員のファミリーが子どもを落ち着いた環境で学ばせたいという意図で通わせるケースも多いという。

 

授業は、約8割が英語で行われる。ニューヨーク州が定める英語、数学、理科などの科目のほか、アメリカ史なども英語で学ぶ。国語や12年生の日本史など一部の授業は日本語で行われる。多くの科目がレベル別に分かれており、各生徒のレベルに合わせた授業を選択することができる。 

 

寮生の90%は単身でニューヨーク暮らし

前述の通り、9割の生徒が寮生活をしているのも大きな特長。男女別6つのハウスに約50名ずつが共同生活をしている。部屋は2名1室で、家具やインターネット環境などが整う。食事はダイニングホールで3食をとる生活で、栄養バランスを考えたメニューが毎日提供されている。また、1割の生徒は、自宅からスクールバスや保護者の送迎によって通学している。

寮の様子

「寮生活をしている生徒の90%は、単身でニューヨークに暮らしています。つまり、家族は日本国内やニューヨーク以外の海外にいるケースが大半です。そのため、寮生活を共にした仲間は、卒業後も家族のような関係になることが多いようです。生徒は東京出身が約5割、その他は日本国内の地方都市や海外で暮らしていた生徒です。本学院に入学する前は、公立校、私立校、インター(ナショナルスクール)など出身も多様で、海外子女を含むさまざまな文化・価値観の仲間との共同生活を経験ができるのも大きな魅力だと思います」

 

慶應義塾ニューヨーク学院では、クラブ活動にも力を入れている。アメリカの3シーズン制に則り、秋はサッカーやバレーボール、冬はバスケットボール、春はラクロスなどのクラブが人気だという。一方、アートや音楽、茶道、ダンスなどの文化系クラブもある。

 

第9学年、第10学年からの入試のみ

慶應義塾ニューヨーク学院には、編入制度はなく、第9学年(中学3年)、第10学年(高校1年)からの入学を想定した年3回のいずれかの入学試験を受けることになる。入試は毎年9月出願→12月試験、1月出願→3月試験、4月出願→6月試験のサイクルで行われている。

 

選抜方法は、一次が書類選考で、二次が英語・数学・日本語の筆記試験と日本語・英語による面接。また、3年以上日本国外に在住した経験があり、TOEFL iBT80レベルの英語力を持つ生徒などを対象にした筆記試験免除の選抜方式もあるという。海外の学校で長期間学んだ生徒は、後者で受験するという選択肢もあるだろう。

 

「入学した生徒たちは、1学年約90名、各クラス20名程度という少人数制の環境で学びます。日本人教員の割合は2割以下で、8割以上が多国籍の教員です。海外で教育を受けてきたアメリカ人をメインとする教員たちは、自然と生徒一人ひとりの考えを問う双方向型の授業を進めます。プレゼンテーションをする機会も日本の数倍多いと思います。こうした環境で仲間と試行錯誤を繰り返し、チャレンジする経験を積み上げることで、慶應義塾ニューヨーク学院らしい『トライカルチャー』が身についていくのです」

Winter Concertの様子

ニューヨーク生活で親離れ・子離れを楽しんでほしい

卒業後の進路は、慶應義塾大学に進学する生徒がほとんどで、各自が志望する学部に進学していく。一部、アメリカの大学や日本の他大学に進学する生徒もいるという。アメリカで学んだ経験を活かして、慶應義塾大学在学中に交換留学をしたり、大学院から再び海外で学ぶ道を選んだりする卒業生も多いという。もちろん、大学卒業後、外資系企業や海外の機関で働いている卒業生も多数いる。ここでネイティブレベルの英語力と教養を身につければ、将来の選択肢が広がることは間違いなさそうだ。

 

最後に山本先生から海外子女の保護者に向けたメッセージをいただいた。

 

「保護者の皆さんには、『親離れ・子離れを楽しんでください』とお伝えしています。寮生活で自立心が芽生える生徒もたくさんいます。ぜひ本学院も進路の選択肢に加えていただきたいと思います」

インタビューに答えてくれた山本富夫先生

 

 

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