一
明けて輝く 灼熱の
砂焼く太陽 油の炎
槌音高く建設の
明日への雄叫び アラビアに
進もう仲良く 世界の子らと
ああ 誇らかに 吾らジッダっ子
二
暮れて涼しい 紅海の
さざめく潮風 青い海
自然の恵み 美しく
色あや織りなす 珊瑚礁
伸ばそう希望を 世界の果てに
ああ 高らかに 吾らジッダっ子
作詞:飯田 雅子
作曲:石川 みほ
石油と紅海 異国サウジアラビアで学ぶ
「アラビア半島の多くを占める王様の国」
それがサウジアラビア王国です。1972年、サウジアラビア王国の首都ジッダ(当時はジェッダ)の大使館内に日本人補習学校が誕生しました。当時の大使館員、日本人会の幹事の皆さんの大変なご苦労があり、その3年後にはジェッダ日本人学校が誕生しました。
開校当時は派遣教員2名、児童数14名の学校でしたが、日本の高度経済成長に合わせて、サウジアラビアで活躍する日本人の人数も増え、開校から5年後には80名を越える児童生徒が学習するようになりました。
また開校してから3年後には、校章や校歌が制定されました。校章や校歌の作詞は、当時の小学6年生2名がそれぞれ担当し、校歌の作曲は当時の音楽講師が担当したそうです。
校歌の一番からは、当時のサウジアラビアの様子がわかります。歌詞には、夏は35度を超える炎天下の地で、石油関連の工場建設のために集まった日本人が、世界中から来た人たちと協力して進んでいこうという気持ちが込められています。歌詞の中の「油の炎」は「あぶらのほのお」と歌うのではなく、「オイルの火」と歌います。
このことからも、石油が身近に感じられたことがわかります。二番では、一番とは反対にジッダにある美しい紅海の自然をテーマにしています。今では、世界有数のダイビングスポットとなり、世界中から紅海のきれいな魚や珊瑚礁を見にダイバーがやってきます。今から50年前はもっときれいだったのでしょう。
小学校4年生に聞くと、「二番は、サウジアラビアの紅海のことをよく表していると思います。日本の校歌と違い、山などが校歌に登場しないので、日本の自然と違うことがわかります。これからもサウジアラビアに住んでいるので、紅海を想像して歌います。」と校歌の感想を話してくれました。まさに「石油」と「紅海」をテーマにした校歌は、「心豊かに学び、たくましいジッダっ子の育成」を学校教育目標にするジッダ日本人学校の誇りです。
ジッダ日本人学校HP:https://jjs-japan.com