2023年11月13日
受け入れ校紹介

函館ラ・サール中学校・高等学校【北海道】

函館の大自然の中で仲間と助け合う精神を育む

カトリック系のミッションスクール

中高一貫の私立男子校である函館ラ・サール中学校・高等学校は、北海道を代表する進学校の一つ。1960年(昭和35年)にカトリック・ラ・サール修道会によって、函館市日吉町に設立された。校名は、1651年にフランスで生まれた聖ジャン・バプティスト・ド・ラ・サールに由来する。現在では、世界79カ国に約1,100のラ・サール校があり、函館ラ・サール中学校・高等学校もその1校となる。

 

「函館ラ・サール中学校・高等学校は、カトリック系のミッションスクールです。世界中にあるラ・サール校に共通する教育理念は、『ENTER TO LEARN, LEAVE TO SERVE』。本校で学び、身につけた能力を世界中の困っている人のために発揮しようという意味が込められています。この教えを糧に、国際機関やJICA(国際協力機構)の職員として活躍している卒業生もいます。もちろん国内で一般企業や銀行で働く卒業生も多くいます。卒業生はそれぞれが各自が与えられた場所で、聖ラ・サールの理念を生かして活躍しています」

 

そう語るのは、函館ラ・サール中学校・高等学校の教頭 小川正樹。自身も函館ラ・サール高等学校の卒業生だという。

 

中学校・高等学校の過半数の生徒が寮生活を送る

函館ラ・サール中学校・高等学校は、同じ敷地内に中学校・高等学校があり、合わせて550名ほどの生徒のうち、350名ほどが寮生活を送っている。中学生は3年間、50名ほどが共同生活を送る大部屋で生活をする。ここで他校ではなかなか経験できない人間関係を築くことができるという。

高等学校の大部屋

「学園寮では、同学年の仲間との共同生活を通じて、いい意味でのレジリエンス(ストレスからの回復力)が身につきます。全国から集まった文化も価値観も違う仲間との生活では、理不尽なこと、不条理なことが毎日起こります。毎日が未知の体験の連続です(笑)。ここで読書では決して身につかない社会性を得ることができるのです。実際、函館ラ・サールの卒業生たちは、大学進学後も頻繁に連絡を取り合いながら、仲間との交流を継続しています」 

 

海外駐在の家族の子どもが学園寮に入寮しているケースも多いという。学園寮には、各学年の寮教諭・寮母さんがいて、生活面の相談にものってもらえる。1日3食すべて寮の食堂で、管理栄養士が監修した食事を食べられるのも保護者にとっては安心だ。夏期、冬期、春期の長期休暇は、学園寮も休みになるので、その時期だけ親戚を頼るか、家族のいる海外に子どもを呼び寄せるような対応をしているパターンでやりくりしているという。

中学校の寮

 

国内外でのボランティア活動プログラムも

授業では、ラ・サール校の教育理念を反映したさまざまな取り組みが行われている。毎年5月15日の「聖ラ・サールの日」には、全世界のラ・サール校共通で、「本当に困っている人に寄り添うことの大切さ」を繰り返し伝えられる。さらに、函館市内だけではなく、海外でのボランティア活動に参加するプログラムなども用意されている。これは、ミッションスクールならではの取り組みだろう。

 

「函館ラ・サールの生徒は、中学・高校の6年間『倫理宗教』という授業を必修で受けます。聖書の知識をベースにキリスト教の理解を深めながら、高校2年次からは学びの対象を現代社会に向け、環境問題や格差社会、戦争の問題などについて仲間と議論を深めます。そして、高校3年次にはその研究成果をまとめてプレゼンテーションを行います。こうした授業を毎週行うことで、人間的にも成長してもらいたいと思っています」

スローガンが掲げられた玄関ホール

ここまでミッションスクールらしい授業がメインで語られてきたが、進学校だけに幅広い科目における受験サポートも充実している。東大・京大・医学部などの最難関大学合格を目指す「特進コース」もある。大学受験にあたり予備校に通う生徒は少なく、各担当教員がしっかりと受験勉強の質問にも答えてくれるという。

 

生徒の出身地が多様なことから、卒業後の進学先についても多様となっています。しいて言えば、関東圏の大学に進学する生徒が多いでしょうか。国公立・私立の割合は、私立の方が多いです。上智大学、国際基督教大学など、ミッション系大学に指定校推薦枠を使って進学する生徒もいます。わずかではありますが、海外大学への進学実績もあります」

 

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