2023年11月20日
みんなの広場

私が中国で見た日本文化

中国は同じアジアの隣国であるが、日中の文化間には異なる点が多くある。中国を旅行する者や中国に駐在する者の中にはカルチャーショックを経験する者もたくさんいるだろう。近年、テレビやインターネットでは中国に関する報道は多いが、その文化の違いから、見ている人に「異質」な存在として映ることも多いのではないだろうか。しかし、日中の文化には共通する部分も多くある。今回は私が中国に6年間住んで発見した日本文化をご紹介したいと思う。日本の車、家電製品、日本食、アニメ・漫画、化粧品などが中国でとても人気があることは有名だが、次の物が人気であることを皆さんはご存知だろうか。

一つ目に、中国では日本の曲や日本を舞台にした曲が人気である。これまでに中国でカバーされた日本の代表的な曲としては、Kiroroの『未来へ』、BEGINの『涙そうそう』、サザンオールスターズの『真夏の果実』、千昌夫の『北国の春』、つじあやのの『風になる』、ORANGE RANGEの『以心電信』、島谷ひとみの『亜麻色の髪の乙女』などがあり、様々なジャンルの曲が幅広くカバーされている。インターネットで調べると、カバーされた曲は30曲以上に上り、多くの日本の曲が中国で親しまれていることがわかる。カバーされた曲の中には、歌詞が変わっているものもある。例えば、Kiroroの『未来へ』は日本では卒業ソングとして有名であるが、中国では『后来』というタイトルで、失恋ソングへと変わっている。こうした中国の人々に合わせた歌詞変更はあるものの、メロディについてはどの曲もほとんど原曲と同じで、日本の歌は1980年代以降、多くの中国人の心を掴み、カラオケでもよく歌われている。

また、中国では日本が舞台の曲もヒットしている。私が広州で働いていた数年前は、陳奕迅の『富士山下』という曲が中国で大ヒットをしおり、タクシーの中や店内で耳にすることがとても多かった。日本のシンボルでもある富士山がタイトルについたこの曲は、広東語の曲であったが、広東語圏だけではなく、中国全土でとても人気があり、歌詞には東京、富士山、桜などの日本を旅行した時の思い出が出てくる。その他にも梁静茹の『会呼吸的痛』という曲では歌詞の中で、好きな人と東京タワーからの景色を一緒に見る予定だった女性の話が出てくる。中国人にとって日本は最も人気のある旅行先の一つなので、日本が舞台となっている曲を聞くことで、日本を旅行した時を思い返したり、日本に旅行することを夢見たりしているのかもしれない。どちらの歌も大変有名なので年配者を除いてほとんどの中国人は知っているであろう。

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