<質問>
子どもは無気力で、ゲーム三昧の毎日です。
どうしたらいいのでしょうか。
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ぼくは悪くない。
だから、絶対に「ごめんなさい。」は言わない。言うもんか、お父さんなんかに。
「いいかげんに意地を張るのはやめなさいよ。」
お母さんはあきれ顔で言うけど、あやまる気はない。先にあやまるのはお父さんのほうだ。
確かに、一日三十分の約束を破って、夕食が終わった後もゲームをしていたのは、よくなかった。だけど、セーブもさせないで、いきなりゲーム機のコードをぬいて電源を切っちゃうのは、いくらなんでもひどいじゃないか。
「何度言っても聞かなかったんだから、しょうがないでしょ。今夜お父さんが帰ってきたら、ちゃんとあやまりなさいよ。いいわね。」
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これは、小学校5年の国語教科書(光村図書出版)に掲載されている『カレーライス』(重松清/著)の冒頭部分です。教科書教材にも登場するくらい、ゲームは子どもにとって日常生活の一部となっています。
「ゲーム障害」って?
WHO(世界保健機関)は、日常生活に深刻な影響が出る「ゲーム障害」を新たな疾病と位置付けています。
インターネットとスマートフォンの普及で、毎日のように新しいオンラインゲームが登場しています。お子さんは、ゲームに夢中でしっかり眠れていなかったり、勉強に集中できていなかったりしていませんか?
次の表でチェックしてみてください。あてはまる数が、5つ以上あれば「かなりキケン」、3~4つの場合は「依存し始めているかも」、1~2つの場合は「少し心配」です。
□朝、なかなか起きられない。 □ゲームが原因で目の疲れや頭に痛みを感じることがある。 □ついつい課金してしまう。 □ゲームをした時間や内容について、嘘をついてしまう。 □嫌な気持ちをまぎらわすためにゲームをしたことがある。 □ゲームをする時間を減らそうとしたが、うまくいかなかったことがある。 □ゲームのことが頭から離れない。 □家族や友達と過ごすより、ゲームを選ぶことがある。
ある小学校の「ゲーム使用実態調査」によると、
- 小学校4~6年生のゲーム所持率は93.2%。
- ゲームできる時間が決まっている子どもは50.8%。
- 家族との約束が決まっていない子どもは38.1%。
そして、中学校1・2年生の「インターネット・SNS実態調査」では、
- 自分専用のスマホ所持率は83.9%。
- 使用用途は無料通信アプリが88.1%で、次いで、動画視聴が86.7%。
- 家族とのルールを決めていない生徒は30.1%。
さらに、内閣府の2022年度調査によると、0~6歳の2割ほどが、平日1日あたり2時間以上インターネットを利用していて、増加傾向にあります。